「立花聡の中国」カテゴリーアーカイブ

KLへ業務機能の集約統合、法順守と経営合理化

 中国で、Yahooもダメになったか。検索できなくなった。当社上海事務所からも報告された。

 サイバーセキュリティ法の実施によって、VPNへの規制も一層強化された。8月1日に、米アップルが中国の「アップストア」からVPNアプリを削除する決定を発表し、同社のティム・クックCEOは、「われわれとしても、できればアプリの削除はしたくない。しかし、他国同様、われわれは自分たちが事業を展開している国の法律に従わなければならない」との立場を表明した。

 当社のような調べ物の多い企業では、正直、仕事にならない。ただ、クック氏が述べた通り、どんな法律であれ、所在国の法律に従うことは企業コンプライアンスの基本である。したがって、当社の場合、一部の業務機能の海外移出はおそらく避けられない。

 中国での人件費の上昇や適材リクルートの困難も相まって、事情が複雑に絡んでいる。全体的に中国やベトナム、アジア業務の統合管理という経営戦略上の観点もあり、当社のクアラルンプール事務所にはこれから本格的に、中国・アジア統括事務所機能を付与すべく、ロードマップの作成に取り組む、とする方針を確定したい。

 激変の時代である。

上海の常宿、変わったこといろいろ

 9月3日(日)から、月例中国出張。上海での宿泊先といえば、ここ数年はずっと虹橋錦江ホテル(旧シェラトン)を常宿としている。

 今年3月、シェラトンから錦江グループに営業譲渡されてから、何か変化があったかというと、それほど大きな変化はなかったようだ。中華レストランがシェラトン時代の広東料理から北方料理と上海料理の混合に変わったのも、特に不都合はないし、むしろ気分転換になってよかったと思う。

 そうだ。今回の宿泊で気付いたが、客室に新たな装備があった。立派なスマホが備え付けられ、宿泊客は滞在中に無料で使えるという新しいサービス。さらに驚いたのは、中国でなかなかアクセスできない「Google」もなぜか提供されていることだ。

 いいですね。虹橋錦江ホテルに頑張ってほしい。何よりも事務所の真ん前にあるという地の利がある。移動の時間が節約できるし、メリットが大きい。

絶景求めて、中国人の結婚写真ロケは地の果てへ

 先日旅行中のこと。アイスランドの南海岸、観光名所のスコーガフォスの滝の前で、結婚写真撮影のロケが行われていた。よく見ると、案の定中国人カップルと中国人撮影業者。

 時は8月だが、北極圏手前のアイスランドでは、外気温度摂氏10度以下。海岸沿いの風が強く、滝の下は雨状態の水しぶきが降りかかり、体感温度をさらに低くしている。露出の多いウェイディングドレス姿の新婦を見ていると、こっちが思わずぶるぶるして鳥肌が立つ。

 一生一度の記念とはいえ、よくも耐えられるなあと感心する。周りの西洋人観光客も皆愕然として眺めていた。「風邪を引かないように」という日本人の挨拶がもっともふさわしい場面ではないかと痛感する。

 しかし、寒いのが新婦だけだろう。中国の結婚写真業はいまは、熱い。特に、このようないわゆる海外ロケーションフォトが特に人気を集めている。北はこのアイスランド、南は南極まで、全世界のあらゆる景観がロケ地になる。

 一時期流行っていたパリのエッフェル塔やハワイの海辺がもう古い。とにかく並の人間でなかなかいけないような辺境僻地ほど価値が上がる。その絶景写真で周りに自慢できるからだ。

 そして、撮影クルーも決まって中国人。現地で営業ライセンスをもっているかどうかも怪しいような個人業者も少数ではない。何せ国内業者が集客して現地在住の中国人に投げるわけだから、ビジネスモデルとして流動性が高く、当局はとても補足できない。

 華僑ビジネスのネットワークは恐ろしい。私が常にいっているように、「中国市場」でなく、「中国人市場」だ。市場は属地でなく、属人だ。これを理解しないと、中国ビジネスなどはできない。

 ・・・(以下略・ビジネスレポート使用)

グリーンランド(5)~青天の霹靂、北極圏にも中国人爆旅

<前回>

 私の場合、食べることが好きで、旅に出る前に事前調査で食べたい食材や料理をリストアップするようにしている。今回、北極圏のグリーンランドでの食リストに上がっている食材品目は、以下の通りである――。

 ズワイガニ、ジャコウウシ、オヒョウ、トナカイ、北極野ウサギ、ライチョウ、オオカミウオ(狼魚)、ウニ、レッドフィッシュと並んでいる。

 その多くが食べられなかった主因は、宿泊ホテルであるアークティック(Hotel Arctic)のレストランにあった。ホテル・アークティックのメインダイニング「Restaurant Ulo」のレギュラーメニューを事前確認したところ、以上の食材のほとんどが扱われていることで、安心していた。

 しかし、チェックインすると、悪いニュースを知らされた。――滞在中の2泊は、「Restaurant Ulo」は中国人団体ツアー客による貸切のため、一般営業を中止すると。

ホテル・アークティックの客室から氷河がみえる

 青天の霹靂。予約満席なら時間帯をずらすとか、なんとか哀願して入れてもらえる手立てがあったかもしれないが、貸し切りだと如何しようもない。ルームサービスやカフェで注文を取り寄せることも打診したが、ダメだった。両日ともレストランの厨房は貸切ブッフェしか用意できない。

ホテル・アークティックからの展望

 運がよほど悪かった。と思ったら、そうではないようだ。イルリサットの街で一番のホテル、アークティックは、もう中国人団体ツアー客に乗っ取られたことは、現地で誰もが知っている事実だった。そこまで事前調査ができていなかった私自身の責任だ。

 ホテルの入口に掲示されている総支配人の挨拶文をみてもわかる。英語と中国語がメイン言語として真ん中に併載されている。両側に欧州各国語があっても、日本語はない。

 爆買の次は爆旅。その爆旅先ももはやパリやロンドンにとどまらず、北極圏、地の果てまで浸透してきているのだ。ホテルとしては、金を落としてくれる中国人客を優先させる方針も、非難されるべきではない。商業的観点からすれば、むしろ正しい経営判断なのだと私も思う。

 嗚呼。私の美食夢が無残に打ち破られた。夕食の時間帯、ホテルのメインダイニングは、中国人専用となり、他の客は小さなカフェに追いやられ、限られたメニューから選ばざるを得なかった。

 まあ、食べられるだけでも幸運だったのかな・・・。

<次回>

在中日本人は平均レベル低下中、現地在住日本人の声

 在中国の日本人、平均スタンダードが低下中であろうか。上海出張中に会った現地在住の日本人からいろんな話を聞かされた――。

 某サービスアパートメントのブッフェ朝食。毎日のようにタッパー持参で、食べ物を詰めて持ち帰る日本人駐在員がいる。多分、昼食をそれでまかなうと思われる。正直それは窃盗行為だ。

 上海の某高級日本料理店。やたら料理や料金に文句をつけるのが日本人であって、大声で騒ぐのも日本人。逆に富裕層の中国人客は大人しく、基本的に文句を言うこともなく、最近は割と静かに食べる人がほとんどだという。・・・

 そこまで派手な事案は接していないが、在中日本人の平均レベルが低下していることは、何となく感じている。これは恐らく日本の国内事情にも関連しているのではないかと思われる。

 さらに中国に来て、日本社会のような監視の目がなくなると、一気に恥の文化も意識せずに人間の醜い本性丸出し、というような情況であろうか。こうして、中国で活躍する優秀な日本人も多数いるなか、平均レベルを低下させるような人がいることは、大変残念だ。

四苦八苦、中国の外国人向けクレジットカード発行事情

 中国出張中に、スタンダードチャータード銀行から届けられた新しいクレジットカードを手にした。

 私は中国では、ANA招商銀聯VISAカードを10年以上も愛用してきた。しかし昨年末、ANAから突然、招商銀行との提携を解消し、来年1月をもってクレジットカードのサービスを全面中止するとの知らせが送られてきた。招商銀行に問い合わせても、ANA系の会員には継続の受け皿を設けないとのこと。要するにそのまま放り出されるのである。

 他行カードの申請を打診しても、なんと、いま中国国内では外国人向けのクレジットカードの新規発行が極めて困難になっていることが分かった。非公式情報によれば、日本人を含めた外国人がカード債務未払いのまま、帰国してしまうケースが続出しているとか。銀行もさぞかし困ったであろう。

 途方に暮れ、中国現地法人のメイン取引銀行であるスタンダードチャータード銀行に相談したところ、長い取引の実績もあって、なんとか申請してみようかということになった。2週間の審査を無事パスして、カードが発行された。担当者の話では、同行中国支店では、初の日本人客向けのクレジットカード発行だったという。本当に有難い。

 人民元建ての銀聯プラチナカードと、ドル建てのVISA Signatureカードの2枚が発行され、現在のANA招商VISAカードよりも数倍高い信用枠を与えられ、中国内外で支障なく使えそうだ。

 中国法人の経費決裁もかなりの部分がカードに頼っているので、結構なペースでポイントが溜まる。現在はすべてANAのマイレージに変換されているが、これからは新カードの提携先であるシンガポール航空Krisflyerマイルへと変更される。同じスターアライアンスではあるが、日系のANAには別れを告げざるを得ない。残念。

解雇断行の善、優秀な従業員に十分な賃金原資を

 連日、上海で「解雇・リストラ」セミナー。これは、人事コンサルタントにとって「永遠のテーマ」だ。日々の相談でも、解雇関係が多い。

 解雇ってそんな悪いものだろうかと時々思ったりする。実力があれば、解雇されても、どこか就職できるはずだろう。もしや現職より良い条件で就職できるかもしれないし、人生の転機になるかもしれない。

 日本の場合、独自の終身雇用制度が取られているため、解雇というのは、社会通念上「善」として認知されないのが一般的だ。ただそれは日本の常識であって、そのまま海外に持ち出しても意味がない。

 海外の雇用では、慣習的に終身という概念はまったく定着していない。故に、「賃金カーブ」という標準生涯想定はむしろ非常識の類に入るものだ。

 解雇に関してもこの延長線上で、善悪の分別という基準を持ち出すべきではない。どちらかというと、優秀な従業員たちに十分な賃金原資を確保するためにも、まず不適格者の排除に企業は取り組むべきであろう。

 適正な解雇は、悪でなく、善なのだ。

「お下げしてよろしいですか?」、肩に力が入る食事

 上海は連日40度を超える灼熱地獄。仕事を終えてホテルに戻り、シャワーを済ませると、もう出かける気になれない。夕食も館内で済ませようと・・・。

 料理をゆっくり一品ずつ食べていると、どうも気になることがある。その料理を最後の一口いただき、空となった皿をテーブルに下ろしたその瞬間、1秒も2秒も間を置くことなく、「お下げしてよろしいですか?」コールがかかるのだ。

 おっと、ちょっと待ってよ。いいですよと言いたくても、最後の一口を咀嚼中なので、言葉も出ない。そこまで何で焦るのか。多分研修で教え込まれていたのだろう――。空になった皿をすぐ下げるようにと。

 でも、タイミング。タイミングがあるんだろう。客が食べ終えて、ああ、美味しかったねとしばらく余韻に浸かって現実に戻ろうとするそのタイミングにあわせて、やさしく「お下げする」コールをする。

 いや、そこまで求めちゃいけない。求めすぎだ。研修で教えられたとおり、「早く下げる」を真面目に実践しているだけでも立派といえる。冷水をかけてはならない。

 と、思いつつ、次の料理を食べながらも、ウエイトレスたちの視線を感じずにいられなくなった。彼女たちは客が食べているのを絶えずに「まっすぐな視線」で見ていたのだ。

 いくらなんでも、食べているところが人にじっと見つめられると羞恥心までいかなくとも、決して落ち着けるものではない。いささか消化不良の遠因にもなりかねないと・・・。

 食事の後半、どうしても肩に力が入ってしまった。

上海入り、中国の入出国自動化ゲート事情

 7月25日(火)、移動日。午前ハノイ発のベトナム航空VN530便で、午後14時過ぎ、上海浦東国際空港に到着。

 入国は待ち時間ゼロ、手続15秒。自動化ゲートを昨年後半使いはじめてから、悪魔の行列から解放された。自動化ゲートのほう、ほとんど行列らしい行列が存在しない。便利便利。

 長期ビザ保有者の外国人にも自動化ゲートを開放してくれたことには感謝。ただ1つだけ問題がある。ホテルにチェックインする際に、入国スタンプはどこどこと探しても、一向に見つからないからホテルスタッフが困ってしまう。

 入国といえば、出国の自動化ゲートはいまだに開放されていない。機械の設置はとっくに完了しているが、航空会社との調整が終わっていないようだ。どうやら搭乗便データも取り入れたいから、チェックインカウンターとのデータ共有が必要らしい。

 このため、現在は出国だけ、窓口審査になっている。まあ、個人的にはAPECカードを持っているので、外交官レーンが使えて大した不便はない。それでも早急な出国自動化ゲートの開通を期待したい。パスポートのページ消耗がすこしでも緩和できるからだ。