「立花聡の経営」カテゴリーアーカイブ

中国人による中国人のための中国人の管理、セミナー開催

 中国人による中国人のための中国人の管理――。

 ヒトの管理、その根底にあるのは文化や国民性、価値観という基盤である。この基盤を軽視したあらゆる理念や管理モデル
も通用せず、失敗を喫する。われわれ日本企業や日本人が善や正、あるいは美としてきた概念を一度ゼロベースに戻し、冷徹な視線で、中国に根ざした中国式の人事組織管理の理念やモデルを注視してみませんか。

 本セミナーは複数の中国企業の事例を取り上げ、その本質や原理を徹底解明し、日系企業に参考となる方向性を示していきたい。11月27日、上海でセミナーを開催する、「秘密徹底解明、中国企業に学ぶ人事組織管理の必勝法」

<予定主要内容>
 ● ある日系企業中国人従業員の本音
 ● 中国人従業員は強いリーダーを尊敬する
 ● 会議に携帯持ち込んだ副総裁も懲戒解雇する恒大
 ● 大晦日に経営幹部クビ切り、タブーに挑むアリババ
 ● トップダウン型業績評価指標はなぜ重要か?
 ● 華為は34歳で線引きして処遇を決めているのか?
 ● 淘汰しない「下位淘汰制」の真実と効用
 ● 辞職者にはなぜ法定外補償金を支給するのか?
 ● 管理職ポストの非属人性と任期制度とは?
 ● 土着性の強い中国人従業員を転勤させる方法
 ● 功労賞なき永年勤続者、仕事なければ会社を去れ!
 ● 会社を辞めても路頭に迷わない真の人材
 ● 徹底分析、京東の人事組織鉄則14カ条
 ● 徹底分析、海爾「戦略・組織・賃金」3大原則
 ● 日系企業は何を必要としているのか?

ワークシェアリング国家の末路、日本一時帰国雑感

 久々の日本帰国。印象はといえば、まず、物価は不当に抑えつけられ過ぎていることだ。「Price under Value」も多々ある。

 これはもはや単なるデフレとかではない。デフレとは、超過供給と共に、物価水準が低下し、雇用や生産の縮小が生じ、景気後退が起ることだ。しかし、いまの日本は、雇用だけは過剰しており、畸形児と化している。

 私がコンサル業務で接している多くの企業においても、労働生産性を腫れ物のように触れようとしない。特に1人あたりの労働生産性について、雇用の是非という議論そのものがタブー化されている。

 3人でできる仕事を5人でやっているのだから、みんな給料が安くならざるを得ない。するとみんな消費したがらない。倹約に徹する。消費低迷がさらに物価水準を引き下げ、値下げ競争を激化させる。全体的なパイが小さくなればなるほど、その5人の賃金原資がさらに委縮する。どんどん悪循環に陥る。

 その5人中一番生産性の低い1人や2人を解雇すれば、問題がだいぶ緩和、ないし解消できる。たが、日本社会ではその議論すらできない。解雇のできない企業は当然将来に不安がいっぱいだ。その長期的不安に備えて、内部留保を積み上げてリスクヘッジする。それは一般の家庭にも通じる。

 将来に不安のある家庭は消費せず、懸命に貯蓄に走る。たとえ金利ゼロでも貯蓄する。もし、企業内部留保に課税するのならば、個人・一般家庭にも預金税・現金保有税を課するべきだろう。一方的に企業の内部留保を批判しても問題は解決しない。

 正社員の解雇自由化。これは避けて通れない道だ。法律的には、労働基準法ではほぼ解雇自由の原則になっているものの、判例法を中心に「解雇権濫用法理」が構築されている。それはおかしなこと。企業って、解雇権を濫用して良い社員を解雇して得するか?

 いまの日本は国全体、ワークシェアリング国家になっている。一時帰国して「爆買い」「爆食い」するには都合が良いが、心底からはまったく喜べない。

生保手続苦難記@大阪某N生命支店

 大阪出張の主たる目的は、生命保険料の支払いクレジットカードの変更手続のためだ。

 先日のブログにも書いたとおり、日本で加入している生命保険の保険料自動引き落とし用クレジットカードを変更しようとN生命に連絡したら、「ご本人様のご来店が必要だ」と言われた。なぜオンラインでできないのかと聞いたら、実物のカードを使って店頭のPOSでデータを読み取らないとできない、と。

 まったく前近代的な話だ。とはいえ、やはり店頭へ行かざるを得ない。そのためにわざわざ航空券を買って、大阪出張を予定に入れたのだった。せっかく店頭へ行くので、事前に保険の全体的見直しを行った。そこで、役に立っていない、これからも役に立たないと思われるある特約の存在に気付く。特約もこの際、キャンセルだ。

 N生命の大阪某支店の店頭に行き、一通り手続を依頼すると、40代の女性保険外務員がやや堅い表情で接してくれた。それはそうだ。彼女にとって全然プラスにならない話なのだから、致し方ない。で、手続を待っている間に突然彼女が豹変したかのように笑みを浮かべた。

 外務員「FXなど、ご興味ございませんか」
 立花 「特に興味ありません。海外在住ですし」
 外務員「外貨積立の新商品をご案内させていただきます。○×○×・・・」
 立花 「せっかくですが、海外在住なので、収入も外貨ですでに海外で外貨を運用してますから、結構です」
 外務員「この新商品は、非常に良い金融商品で、○×○×・・・」
 立花 「何回も申し上げてますが、我々は海外在住でわざわざ日本で外貨運用する必要がありません」
 外務員「でも、このパンフレットをご覧ください。運用に関しては○×○×・・・」
 立花 「それは要りません。手続を早くしてください」

 やっと、手続が終わろうとした。

 外務員「手続の書類となりますが、こちらの証券番号で間違いないでしょうか。ご確認ください」
 立花 「保険証券は持ってこなくていいといわれたので、証券番号分かりませんよ」
 外務員「でも、一応お客様にご確認いただくことになってますから、ご確認いただけませんか」
 立花 「知らないものは知らない。確認しろと言われても、できません。それよりも、御社のデータベースで調べたらいかがですか」
 外務員「はい、じゃ、見てみます。あらっ、すいません。番号やはり間違ってました、すぐ直します。もう一度書類を作り直しますので、少々お待ちください」
 立花 「・・・」(言葉が出ない)

 またまた、待たされること十数分。今回はやっと終了になる。変更された新クレジットカードを渡すと、外務員がPOS機とカードを持って戸惑う。「お客様、カードのどっちから入れればいいんでしょうか」

 もう、絶句。記入間違いで破棄となる書類も含めて、山積みの紙とにらめっこして、ようやく1時間を超える手続が終わった。電子化時代に逆行することもさておきながら、社内用の書類もすべて美しいカラー印刷になっている。コストは?

 世界に取り残される日本の金融保険業という大げさなことを言ったら、怒られるかもしれないが、すくなくともN生命の店頭で見た光景は私にとって衝撃的であった。

 私の死亡保険金をちゃんと払ってくれるのだろうか。私の死亡までに、この会社が死亡しないことを切に願っている。

元気のない「日本人街」、松江出張初日

 11月2日(木)、上海市内から郊外の松江へ移動。松江の日系企業某社の幹部研修を週末かけて行う。

 松江は基本的に工業の街。日系の工場も多い。私が泊まるホリディ・インの近くに普照街という「日本人街」があって、そのなかでももっとも老舗である「魯山人」という日本料理店に出向いてみた。

 店名があまりにも偉大だったのに、期待が大きかった。味はまあまあ、ただウエイトレスたちが一生懸命働いているのが印象的だった。何回も通おうという衝動は沸かない。そして、ホーチミンのレタントンのような活気もまったくない。

 松江もそうだが、中国は全体的にもう一時期の高揚感が沸くような国ではなくなった。私自身も中国に対する興味が日に日に薄れ、いわゆるわくわく感がなくなってきている。時代の趨勢なのか、それとも私の浮気性なのか、よく分からない。

 もうどうでもいい。

叩けば埃が出る、日系企業内部不正行為セミナー開催

 11月1日(水)、上海で「日系企業内部不正行為調査と対処実務セミナー」を定員超過の満席開催。

 日系企業内部の不正行為が増えたよりも、発覚が増えたといった方が適切だろう。長きにわたってぬくぬくと巣食ってきた悪がついに何らかのきっかけで露出した、そうしたパターンがほとんどではないだろうか。経費の不正請求から、リベート収受や不正着服、利益相反取引まで、会社資産の横領を中心に不正が多岐にわたる。

 叩けば埃が出る――。経営年数を積み上げてきた大半の在中日系企業には、大なり小なりの不正が存在している。折しも中国経済・市場不況の風が吹き荒れるなか、不正事件の露出が旬を迎える、という時期ではないだろうか。

 企業内不正は個別事件にとどまらず、悪影響の波及効果が深刻だ。特に証拠不十分などによって摘発や処分できない場合、ないし一部お金まで出して問題従業員(容疑者)に辞めてもらう場合、コツコツと働く勤勉誠実な従業員たちには甚だ不公平である。中に「正直者が馬鹿を見る」で悪の道に走り出す誘発事案も少なくない。

 企業にとってみれば、いざ不正事件が発生した場合、調査活動だけでなく、確固たる証拠を入手することが困難な場合がほとんど。企業は警察ではない。捜査権もなければ、捜査のノウハウもない。本業を放り出して不正事件の調査や摘発に没頭するのがまさに本末転倒。

 このため、不正行為は摘発よりも牽制効果が機能する予防措置を最優先しなければならない。セミナーでは、他律型統制と自律型統制の構築事例として、「中国流」内部通報・告発制度、ローテーション制度、従業員主導の自浄型モニタリング制度を挙げ、解説した。

 セミナーのウェブ中継テストを今回、行ったところ、効果が悪くないようだ。来年以降は試験的に一部実施してみようと考えている。

進化と退化の関係、そして価値と価格の関係

 ベトナム事務所の拡張で、連日面接や採用に追われている。最近の面接は、ほぼSkypeで行われるので、時間や場所の制限を受けない。特に在職者の面接は、勤務時間外や土日になるので都合がよい。

 ≪顧客向けレポートに転載するため、以下すべて削除しました。ご了承ください≫

「ゼロ」から「イチ」をつくり出す力、野獣肉BBQ

 昔、営業担当になった時のことを思い出す。

 私は上司に、資源を整えるよう求め、補佐の募集も要求した。それがその場で一蹴され、「金は稼いでから使うもんだ」と。ちょっと待ってよ、何もないじゃ仕事ができないだろうが。

 「いま、君に1を与えたら、君は2を要求してくるだろう。今度、2から3へと、3から4へと、ただエスカレートするだけ。5まで与えても仕事が出来なかったら、会社からクビを切られる。すると、君は、『会社から、6を与えてもらえなかったので、仕事ができなかった』というだろう」

 「いや、そんなことはありませんよ」と、私は顔を赤くして反論に乗り出す。上司がニヤニヤしながらいう。「何をもって君を信用できるかね。いまの君はゼロなんだからな」

 要するに、まず「0から1への一歩」なのだ。上司が続ける。「0から1までやってくれたら、2を与えてもいいかな。いや、それがまだダメ。1.5だけで様子見しよう。そこで3にしてくれれば、4や5に積み上げていこう」

 「ゼロ」から「イチ」をつくり出す力。後から本を読んでそれを知った。

 美味しい料理を作ってくれと頼まれると、厨房や食材、調味料を求めるのではなく、サバンナで獲物を取り、木で火起こしして野性味満点の野獣肉バーベキューをつくり上げる。それがサバイバルの真意、「ゼロ」から「イチ」をつくり出す力だ。

コンサル会社のIT経営変革、モデル模索中

 2日間、ITの勉強に専念。社内基幹システムのプラットフォームの方向性がほぼ決定。

 それだけでなく、自社コンサル事業のIT経営変革モデルも見えてきた。顧客企業を巻き込んだIT環境の構築を考えるようになった。

 セミナー、レポート配信、メール・対面という現状の3大ツールに段階的に革命的な改革を施す。即時性と共有性による高付加価値の付与。いくらでも可能性があるじゃないか。

 eラーニングも引っ張り込みたい。このままだと、コンサルタントとして何歳年を取っても、仕事を続けられる。嬉しいのか悲しいのか・・・。いや、面白い。面白過ぎる。

ベトナム事務所、社内研修は自律性にフォーカス

 10月12日(木)、ベトナム現地法人の社内事務と社内研修。

 昼前は事務所の館内移動。増員に伴うちょっとしたスペースの拡張。パソコンも電話もまだ設置されていない事務所で記念写真撮影。

 私は固定費にとてもシビアな経営者だ。陣容拡大に興味がなく、社員1人あたりの労働生産性を最重要視する。もちろん自分の労働生産性も含めてだ。

 午後は新入社員の社内研修。仕事の内容よりも、仕事の目的を入念に説明する。目的を理解したうえで、社員が自律的に最適な働き方を見つけ、仕事の内容を作り上げてほしい。演奏よりも作曲だ。

 夕方、会社から抜け出してハノイの日本大使館で衆院選の在外投票。夜はハノイ市内の韓国焼肉店で食事。

 これで1週間のベトナム出張が終了。

居眠り一睡もさせない研修会、大成功ながらも課題山積

 2日間のベトナム人マネージャー研修が終了した。

 「いつもの研修なら居眠りでしたが、今回の2日間、まったく『一睡』もできませんでした」「こんな面白い研修、参加したことがなかった」「人生もキャリアも何か変わったような気がします」・・・。

 受講生たちのフィードバックが私に対する最大級の賛辞だった。これ以上嬉しいことはない。本当に嬉しい。初のベトナム人人マネージャー研修、どうやら大成功だった。

 ただ問題がないわけではない。2日間の研修で、数々の課題が浮上した。そもそも論になるが、マネージャーとは何か。従業員の年次延長なのか、それとも経営者の一員か。

 本質的な部分。経営幹部の候補選抜なら、まだまだ入口の一歩手前くらいしか到達していない。完全な経営者目線の育成、本人たちだけでなく、上司や会社、制度など多元的な要素が絡んでいる。

 山積の課題を抱えて、次の一歩を踏み出したい。