「立花聡のベトナム」カテゴリーアーカイブ

今日の中国は、明日のベトナム

 ベトナムの人件費コスト上昇が止まらない。さらに、労働者を過剰保護する労働法制に起因する解雇難や、労働生産性の停滞といった負の要因と相まって、企業管理面の課題は山積。

 財務・労務・法務面において、唯一の解決策といえば、私が考案した「3階建人事制度」しかない、と自信をもって断言する。

 「今日の中国は、明日のベトナム」

 中国で60社に上る日系上場企業の導入実績で証明された「3階建人事制度」の威力は、ベトナムにおいても発揮されるべく、すでに在越日系企業における導入が始まった。

 6月のホーチミン・セミナーに続き、10月9日(月)午後、ハノイの日航ホテルで「3階建人事制度セミナー(ベトナム版)」を行う。「3階建人事制度」とはどのようなものか、なぜ必要か、それがどのように機能するか、その全貌とメカニズムを徹底解説する。

<予定主要内容>

● ベトナム経営現場の三大課題のメカニズム
  1. 賃上げと人件費コスト上昇の課題
  2. 無期限労働契約・終身雇用の課題
  3. 企業労働法務・人事労務制度の課題

● 「3階建人事制度」のメカニズム
  1. 制度の基本構造と概要
  2. 三大課題を如何に解決するか
  3. 現行制度の変更・新制度導入の諸課題

 是非、在越日系企業経営者の皆様のご参加をお待ちしております。

氷山か氷塊?ボンビーガールのマレーシア移住話

 8月29日に日本のTV番組「ボンビーガール、マレーシア移住特集」が放送されてから、私が発起人で主宰している「マレーシア移住の会」には新規参加者が急増している。
 
 「・・・(マレーシアは)物価が安いし、家賃3万円程でゴージャスなアパートに住めるし、なんか日本に住んでいるのがばかばかしくなる」「ボンビーガールを観てていつも考えているけど、本当にバンコクとかマレーシアに就職してバブリーな生活をするのもいい。考えてみようかな」

 ネットを検索したら、こういうブログ投稿もあったりする。いや、TVの宣伝効果はやはり大きい。ベトナム在住の友人は、「あれはストーリーありきの該当者募集です。少なくともベトナムの放送分は、放送後ベトナムで働きたいという問い合わせは人材紹介会社で増えたそうです」と、教えてくれた。

 まあ、人材紹介会社はだいぶ番組のおかげで商売が舞い込んだだろう。

 ベトナム編もマレーシア編も、私は直接に番組を観たわけではないので(観るつもりもない)、断定的なコメントを控えたいが、番組が取り上げた話は、やらせや作り話でない限り、真実であることは間違いないだろう。

 ただ、その真実は、氷山の一角なのか、それとも単たる氷塊の一粒かが問題だ。どれだけ代表性があるかということだ。言い換えれば、大方の人が番組に取り上げられたような事案をそのまま追体験できるか、あるいは番組事例の複製の可能性、それがどのくらいあるかということだ。

 特に海外番組の場合、現地コーディネーターのスタンスが番組の出来に決定的な役割を果たしていることも珍しくない。そこで彼らの情報ソースや知見、ないし利害関係が絡んでくると、番組の色も随分変わってきたりする。

 随分昔、私も日本のメディアの海外取材の協力で現地コーディネーターを引き受けたことがあった。現地のことについて取材クルーは基本的に何も知らない。現地コーディネーターの言いなりだった。

 こういう番組の裏事情を知った上で、番組を眺めていると、視聴者もずいぶん変わるだろう。メディアは信用できないとかいう人もいるが、「信じる」「信じない」というよりも、「懐疑」をもつことが大切だ。私の書いたこの記事にも、是非懐疑の目をもって接してほしい。

 情報氾濫の時代だ。情報そのものの価値が相対的に低下している。そのかわりに、情報の選択と処理がますます重要になる。自分自身にとってその情報は何を意味するか、その情報がもたらす潜在的リスクとは何か、そしてそこからどのような価値を生み出せるのか、この一連の論理的な思考作業が後続の結果に決定的な効用を果たす。

 情報は、諸刃の剣だ。

<ホーチミン>Quan Bui、素朴な家庭料理と米酒が最高

 ホーチミン出張滞在中の楽しみといえば、食。たまに高級ベトナム料理もいいが、食傷気味になりがちで、私は断然素朴な家庭料理や郷土料理を好む。

 今回は、セミナーのあと、「Quan Bui(クアンブイ)」というベトナム家庭料理店へ足を運ぶ。

 店の周りは、日本人街で夜の女性が行き来する場所なのだが、店内はいたって素朴な雰囲気で、地味なカフェというか居酒屋という感じである。私の好みだ。自家製のベトナム米酒が旨い。田ウナギの鍋が珍しいので注文してみた。これは絶品。酒に合う。

 かなり酔っ払った。
 

ボナペティのベトナム航空機内食、ホーチミンへ

 9月7日(木)、移動日。午後15時10分上海浦東発のベトナム航空VN523便でホーチミンへ向かう。

 ベトナム航空のこと、何回か言及したが、なぜか機内食の旨い確率が高い。本日も牛ヒレ肉のステーキは、見事なミディアムレア状態になっていてしかも、柔らかいのだ。上等なレストランと変わらない品質で思わず感動。

 しかも、サーブする客室乗務員は微笑みで、「ボナペティ」の一言。植民統治の賛美ではないが、フランスが残してくれた面影が消えることなく脈々と伝承されていることは、誠に微笑ましい。

 18時10分、ホーチミン・タンソンニャット国際空港到着。19時過ぎ、ホテル日航サイゴンにチェックイン。明日はホテルでセミナー。

ハノイでセミナー、ベトナムでの募集・採用とは?

 7月24日(月)、ハノイ。午前は顧客相談、午後はセミナー。テーマは、「ベトナムでの募集・採用・試用期間管理」。満席開催。

 刹那の面接、短い試用期間。多くの従業員は本採用を獲得するために、猫かぶっている。「何でもできます」「何でもやります」のはずだったが、後から気がつけば、違うんじゃないかと。

 会社としては、一人ひとりの採用や育成に多大なコストとエネルギーを投入している。これらの投入を無駄にしたくない。すべての全てが、募集・採用・試用期間という水際作戦にかかっている。

 ベトナムでの採用は特に何に注意すればいいのか、事例も交えて4時間の研修会だった。募集・採用といえば、次は人材育成。10月に、ベトナム人中核社員・幹部候補・幹部向けの研修会を行う予定だ。

 だんだん佳境に入っていく・・・。

ハノイ到着、ベトナム出張頻度アップへ

 7月23日(日)、移動日。クアラルンプール発のベトナム航空VN680便で、21時過ぎにハノイ・ノイバイ国際空港到着。

 22時30分、定宿のホテル日航ハノイにチェックイン。このホテルはもうあれこれ2年以上使っていると、フロントからベルボーイまでほとんど顔見知り。日系ならではの安心感、ありがたいものだ。

 今回はハノイ2泊だけで上海へ向かうのだが、12月からはベトナム定期出張の頻度を上げ、滞在日数も追加する。おかげさまで、ベトナムは顧客も仕事も順調に増えている。本日24日のハノイ・セミナーも満席開催。

 ベトナムは全体的に上昇気流に乗っている。

<ホーチミン>山岳郷土料理、「マウンテン・リトリート」

 バックデートでベトナムの食の話。4月ホーチミン出張のとき、「マウンテン・リトリート」(Mountain Retreat)というベトナム料理店で食事をした。

 ベトナム料理といっても、南北細長い国土で実に多様性に富んでいる。中でも山岳民族系の郷土料理が素朴で特に、私は大好きなのだ。素朴というのは、調理法が極めて簡単で、余計な飾りが施されていないことだ。

 たとえば卵焼きは本当に単純な卵焼き、単にひたすら卵の味と香りしかしない。このような単純な料理では、なかなかお金が取れない。取れなくても、ちゃんとメニューの中に入れてくれるのが嬉しい。心が癒される味だ。

 素朴な山の料理には、少々強い酒がマッチする。ベトナムのウォッカもなかなかいける。ただ飲み過ぎると腰が抜けるので、要注意。お勧めの1店である。

 場所が分かりにくいのと、長い階段が難点。まあ、克服できない大問題ではないが・・・。

別紙ビザ、領有権問題の中国旅券にベトナムが奇策

 先日中国人スタッフのベトナム出張ではじめて知ったことだが、中国人の所持する旅券(パスポート)タイプによって、ベトナム政府は異なるビザを交付している。

 旧型旅券には、従来通りのビザ・シールが直接に張り付けられるが、新型旅券の場合、別紙の単発ビザが交付され、出入国の際もその別紙にスタンプ押印され、旅券本体には一切タッチせず、出入国の痕跡すら残さない。

 原因は、新型旅券8ページ目の査証ページに薄く印刷された南シナ海の「九段線」だった。中国が南シナ海全域に主権や権益が及ぶと主張しているが、ベトナムはこれを認めていない。中国の領有権主張の根拠となっている「九段線」が問題になり、そのページだけでなく、中国旅券全体へのスタンプ押印をベトナム政府が拒否したのだった。

 中国への抗議の意思表明である。調べると、ベトナム以外には、フィリピンやインドなど中国と領有権を争っている国々も抗議し、別紙ビザを交付しているようだ。

 ベトナムにはさらに強力な対抗措置も取れるのだ。別紙ではなく、ベトナムが主張する国境線が印刷されたビザ・シールを中国旅券に張り付けることだ。そうすると、今度逆に中国が対抗できなくなる。まさか当該旅券の所持者を出国制限するわけにもいかないだろう。

 まあ、いろいろあるが・・・。

海外拠点の経営者型トップ、批判的思考と質問力

 ベトナムも中国も、日本企業の海外拠点を預かる日本人駐在員が経営者の素質を有しているかどうか、海外事業の成敗がかかっている。

 本社指示待ち型の人なら、基本的にこのような要職に向いていない。経営課題の本質を見抜く力をもち、3年後、5年後ないし10年後のビジョンとにらめっこして、戦略と方針を見出すべく、必死の姿勢が必要だ。

 経営現場でいろんな日本人幹部と対話をもち、接した時点で失礼とは思いつつもまずは人物判断をする。その基準の1つは、質問力。本質を突いた質問をぶつけてきたときほど興奮することはない。ビリビリっという感電感がたまらない。

 逆に、指示待ち型で主体的思考力をもたない人だと、つねに「私がやっていることは問題を引き起こさないだろうか」とばかり気を使う。これは紛れもなく敗者の第一歩といえる。

 日本型の組織では、批判的思考をもつ人間は必ずしも評価されるわけではない(抹殺されることも多々ある)。故に思考の萎縮は必然的帰結であろう。ただ逆タイプの人も少数ながら存在する。組織との衝突を恐れず、あの手この手を使って経営者の本領を発揮しようとする。思わず応援したくなるような人たちである。

 と、コンサルタントとは、顧客に選ばれながら、顧客を選ぶものだ。