「立花聡のマレーシア移住」カテゴリーアーカイブ

KLへ業務機能の集約統合、法順守と経営合理化

 中国で、Yahooもダメになったか。検索できなくなった。当社上海事務所からも報告された。

 サイバーセキュリティ法の実施によって、VPNへの規制も一層強化された。8月1日に、米アップルが中国の「アップストア」からVPNアプリを削除する決定を発表し、同社のティム・クックCEOは、「われわれとしても、できればアプリの削除はしたくない。しかし、他国同様、われわれは自分たちが事業を展開している国の法律に従わなければならない」との立場を表明した。

 当社のような調べ物の多い企業では、正直、仕事にならない。ただ、クック氏が述べた通り、どんな法律であれ、所在国の法律に従うことは企業コンプライアンスの基本である。したがって、当社の場合、一部の業務機能の海外移出はおそらく避けられない。

 中国での人件費の上昇や適材リクルートの困難も相まって、事情が複雑に絡んでいる。全体的に中国やベトナム、アジア業務の統合管理という経営戦略上の観点もあり、当社のクアラルンプール事務所にはこれから本格的に、中国・アジア統括事務所機能を付与すべく、ロードマップの作成に取り組む、とする方針を確定したい。

 激変の時代である。

氷山か氷塊?ボンビーガールのマレーシア移住話

 8月29日に日本のTV番組「ボンビーガール、マレーシア移住特集」が放送されてから、私が発起人で主宰している「マレーシア移住の会」には新規参加者が急増している。
 
 「・・・(マレーシアは)物価が安いし、家賃3万円程でゴージャスなアパートに住めるし、なんか日本に住んでいるのがばかばかしくなる」「ボンビーガールを観てていつも考えているけど、本当にバンコクとかマレーシアに就職してバブリーな生活をするのもいい。考えてみようかな」

 ネットを検索したら、こういうブログ投稿もあったりする。いや、TVの宣伝効果はやはり大きい。ベトナム在住の友人は、「あれはストーリーありきの該当者募集です。少なくともベトナムの放送分は、放送後ベトナムで働きたいという問い合わせは人材紹介会社で増えたそうです」と、教えてくれた。

 まあ、人材紹介会社はだいぶ番組のおかげで商売が舞い込んだだろう。

 ベトナム編もマレーシア編も、私は直接に番組を観たわけではないので(観るつもりもない)、断定的なコメントを控えたいが、番組が取り上げた話は、やらせや作り話でない限り、真実であることは間違いないだろう。

 ただ、その真実は、氷山の一角なのか、それとも単たる氷塊の一粒かが問題だ。どれだけ代表性があるかということだ。言い換えれば、大方の人が番組に取り上げられたような事案をそのまま追体験できるか、あるいは番組事例の複製の可能性、それがどのくらいあるかということだ。

 特に海外番組の場合、現地コーディネーターのスタンスが番組の出来に決定的な役割を果たしていることも珍しくない。そこで彼らの情報ソースや知見、ないし利害関係が絡んでくると、番組の色も随分変わってきたりする。

 随分昔、私も日本のメディアの海外取材の協力で現地コーディネーターを引き受けたことがあった。現地のことについて取材クルーは基本的に何も知らない。現地コーディネーターの言いなりだった。

 こういう番組の裏事情を知った上で、番組を眺めていると、視聴者もずいぶん変わるだろう。メディアは信用できないとかいう人もいるが、「信じる」「信じない」というよりも、「懐疑」をもつことが大切だ。私の書いたこの記事にも、是非懐疑の目をもって接してほしい。

 情報氾濫の時代だ。情報そのものの価値が相対的に低下している。そのかわりに、情報の選択と処理がますます重要になる。自分自身にとってその情報は何を意味するか、その情報がもたらす潜在的リスクとは何か、そしてそこからどのような価値を生み出せるのか、この一連の論理的な思考作業が後続の結果に決定的な効用を果たす。

 情報は、諸刃の剣だ。

<KL>正統派寿司、威風堂々の王道「織部」

 8月2日、妻の誕生日。前日の夕食に訪れたのは、寿司店「織部」。クアラルンプール寿司「御三家」の1つだ。

 正統派寿司の王道。お任せコースで出てくる刺身はまず文句なし。素材のセレクトも取扱いも一級のレベルだ。

 コースはかなりの量ではあるが、単品確認の目的もあって、大食い立花家のことだから、そこで欲張って追加注文をする。寿司屋であえて天ぷらを食べてみようと、いやいやこれはまた天ぷら専門店並みの味ではないか。ただ、不思議なことにつゆに大根おろしがついていない。忘れたのか、それとも店の流儀か、定かではない。

 いよいよメインの寿司に入るが、またもや追加注文――うに軍艦3貫。私が2貫と食欲全開。これも絶品である。

 さあ、ほとんど腹いっぱいの状態でメインの寿司をいただく。あえてここで詳論をやめておこう。一言でいえば、威風堂々の寿司である。貫禄満点。ただカウンターで食べられなかったのが残念。前日の予約でカウンターいっぱいだったから。

 不完全燃焼だったのは、酒。日本酒で「久保田千寿」を頼んだのだが、出てきた酒には劣化臭があった。ただ、店には責任ないと思う。出てきた酒もしっかり冷蔵管理されていたので、恐らく流通途中のどこかで問題が起きたのではないかと推測する。確認しようと、酔っ払ったところ、さらに最安値の「彩都」の1合を頼んでみた。これはまったく問題ない。やはり店の責任ではない。

 あっそうだ。どうしても文句を言うなら、店内のBGM。なんとなく、コンビニっぽい。あくまでも個人的な感覚ではあるが、もう少し店の高級感にマッチするBGMをセレクトしてほしい。

 最後の最後、なぜ卵焼きがないのか。これも不満。

マレーシア航空雑感、クアラルンプール帰還

 7月29日(土)、移動日。ベトナムと中国出張を終え、上海発のマレーシア航空MH389便でクアラルンプールへ帰還。

 離陸後、食事前のサテ・タイムは何よりの楽しみだ。サテはどこでも食べられるが、やはり3万フィート上空のサテが格別な味だ。

 食事は、シェフ・オン・コールという事前オーダー制で十数種類のメニューから好みで選べる。今回の場合、前日にわざわざ確認の電話までかかってくるほど丁寧だった。

 居住地がクアラルンプールに移ってからは、毎月マレーシア航空を利用している。上海とクアラルンプール間は片道4000キロ、飛行時間が5時間強。ビジネス出張には何とか耐えられる移動だ。

 私は機内でパソコンや書類を広げて仕事をしない主義なので、食事や読書、映画鑑賞、思考の時間などでゆっくり過ごすようにしている。

 総じてマレーシア航空には大変満足している。

中国ゼネコンの施工、マレーシアの高級不動産物件

<前回>

 マレーシア不動産投資の話の続き。コンドミニアムを買うなら、せいぜいどこの誰が建てたか、不動産業者が教えてくれるのだろうか。いまのマレーシアのコンドミニアムの多くは、「Made by China」だ。

 クアラルンプールの中心部。高所に登ってみると、こんな風景が広がる。中国ゼネコンが施工しているビルがあちこち林立しているのだ。なかに高級物件も多数含まれている(ブキットビンタンのPavilion Suitesや、KLCCのFour Seasonsなども)。

 中国企業の施工といえば、凄まじい「コストダウン」を想起せずにいられない。だからこそゼネコンの収益性が高いわけだ。固定概念で差別するつもりはないが、個人的には、中国系ゼネコン施工の高級物件は「No, Thank you」で敬遠したい。

 マレーシアには中国系企業がいま殺到している。これはナジブ政権の親中政策とは無関係では決してない。2015年11月に、クアラルンプールで開かれた東アジアサミットの際、安倍首相は、米比などと組んで南シナ海の問題で中国に包囲網を張ろうとしたところ、議長国マレーシアのナジブ首相は何と、ほとんどボイコット状態だった。

 ナジブ氏は当時、政府系投資会社ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)をめぐる一連の疑惑と巨額の債務によって、巨大な政治的圧力がかかって、退陣の瀬戸際だった。そこで、ナジブ氏を助けたのは中国の習近平政権だった。マレーシアに大量のチャイナ・マネーが流入したことで、ナジブ政権は死の危機から逃れたのだった。

 中国の恩に報いるべく、ナジブ氏が政権の座にとどまる限り親中路線を変更することはあるまい。そういう意味で中国企業のマレーシア市場への食い込みは、もはや止めることができない。不動産投資の話から少々脱線したが・・・。

<終わり>

儲かりますかマレーシアの不動産投資、夜景観賞分析法

 よく、友人から「クアラルンプールでの不動産投資」について意見を求められるが、私は人に「イエス」か「ノー」を答えるのが好きではないので、なるべくその人が自ら結論を導き出すようにアプローチを仕掛けるのだ――。

 インカムゲイン(家賃収入)についてはまず、コンドミニアムの入居率を調べること。入居率をどうやって調べるかというと、1週間毎日同じ場所で夜景観賞すれば、コンドミニアムの点灯率で概ね見当がつく。写真は、私が少し前に撮影したクアラルンプール中心部の夜景。

 ちなみに観測時間は夜20時~22時の間がよろしかろう。大体住民は帰宅しているし、早寝の人でもまだ起きている時間帯である。やはり、クアラルンプール中心部(ツインタワー付近)も入居率はそれほど高くないようだ。ならば、投資後の空室リスクと低家賃を覚悟しなければならない。

 現にクアラルンプールの家賃は全般的に安い。一部目玉が飛び出るほど安い物件があることも知っておくべきだ。分譲相場がどんどん上がってシンガポールや香港に追い付こうとしているが、賃貸は比較にならないほど安い。分譲相場と賃貸相場のかい離が何を意味するか、冷静に考えるべきであろう。

 さらに、マクロ的に考えてみよう。マレーシアの国土は、ベトナムとほぼ同じサイズだ。マレーシアの人口は3千万、しかしベトナムはその3倍以上で1億に迫っている。経済基盤のレベルと成長のスピードを見ても、まあ、ある程度の結論が見えてくるだろう。

 マレーシアにはまったくチャンスがないわけではない。有望な物件もたくさんあるのだが、いずれも100万リンギットという外国人最低購入価格を下回っているため、外国人は買えないのだ。あとは、私が強く興味を持っているのは農地。これも、外国人ではダメ。

 マレーシアは東南アジアで珍しく、外国人が土地を合法的に所有できる国である。だが、それで儲けられると短絡的に考えたら焼けどする。そういう話は、不動産屋さんがなかなか教えてくれないのだ。

<次回>

<KL>マレー風中華、友人来訪と美食探訪が楽しい

 ベトナムから顧客兼友人のK氏が1泊出張でクアラルンプールにくるので、市内で会食することになった。何を食べたいかと聞いたら、中華とマレーの両方を食べたいと。

 1泊しかなく、1回の食事で両方を食べるとなると、「レストラン1919」あたりが妥当ではないかと、勝手に場所を決めた。このレストランは、基本的に中華料理だが、品目によってマレー的なエッセンスも取り入れられている。かといって完全なニョニャスタイルではない。そこが面白い。

ダチョウ肉の炒め物

 ダチョウ肉といったちょっとユニークな料理もあるので、あれこれ食べて飽きない。1品あたりの量も控えめで、少人数でも欲張って多品種を食べられるのが嬉しい。

 マレーシアは本当に食べ物が美味しい。多民族国家である故の異文化の交互融合が、料理にも多く反映され、固定概念を超えた品々につねに好奇心がそそられる。食の探訪が楽しい。

1919 Restaurant
15A Jalan Yap Kwan Seng, Kuala Lumpur City Center, Kuala Lumpur
TEL: 03-2161-9919

三つ子の魂百まで、味覚矯正「食育」の難しさ

 6月18日(日)、働かない日。2週間の集中研修で疲れた体を癒したい。

 午前11時30分、クアラルンプールのマンダリン・オリエンタルに入る。中華料理で飲茶。ゆっくり飲茶したい。研修生たちとの食事は、食べるもの食べないもの、いろいろ忖度することが多かった。今時の若者はハングリーの時代を知らないので、良い意味でも悪い意味でも食生活が一見して「贅沢」(選択肢が豊富という意味の)になっている。

 妻はもてなし好きなほうで、箸が進まないとみるや、ひっきりなしに食べなさい食べなさいと勧め出す。研修生たちにはこれがプレッシャーになったかどうか知らないが、このマラソン対峙を見ている私もついつい疲弊化する。いや、もう勧めるのをやめなさいと、無理させるなと、最終的に思わず介入してしまう。

 マンダリンで妻と2人で飲茶をしながら、またもや研修生たちの食事の話題が出た。妻は研修生の少食・偏食ぶりに相当悔いが残っているようで、「あの子はもしや、Aが嫌いで、Bが好きだったんじゃないか」と事後の忖度を始める。まあ、それは確かにあったかもしれないが、忖度はもうやめようよと私が繰り返す。

 手作りの出汁がいかに美味しいか、本物の「うまみ」とは何か・・・。こういうことを若い人に理解してもらいたいという妻の願望はよく分かる。私もそうした味覚を鍛え、人間性を豊かに育てる「食育」がとても大切だと思う。ただ、現状とのギャップは楽観できない。

 「三つ子の魂百まで」ということわざがある。「3歳までの食経験は、その人の一生の味覚を左右する」、幼少期の食育が味蕾の成長ぶりと一生の味覚傾向を左右するとよくいわれるように、親の作為不作為が大きな要素をなしている。最終的に教育者であるはずの親自身の価値観や素質、レベルにもかかわっている。

 私自身も決して立派な食育を受けたわけではない。いや、むしろ食音痴だった。20代になってから、「うまいもん食え」と、アルバイト先の社長にきつく叱られ、無理やり社長の食卓に付き合わされた。「君がまずいと思った食べ物、なんで人がうまいといって食べているのか、その理由を考えろ。まずはまずいと思っても、1つ1つ拒否しないで食べてみろ。ゆっくり味蕾をつかって吟味しながら食べろよ・・・」

 社長には感謝している。社長の親代わりの矯正作業。そのおかげで、後日の私は少しずつ食の美味しさに目覚めたのだった。本物の美味に味蕾が瞬時に反応し、頭脳にシグナルを送りだす。この興奮の連続によって幸福を体感するだけでなく、ときにはひらめきが芽生えたりもする・・・。

 長い飲茶が終わると、隣のツインタワーへ移り、今シーズンの最終コンサート。そして、夕食は「亀寿司」で美味しくいただく。

 働かない1日。久しぶりに休日らしい休日でゆっくり充電できた。とはいっても、食育のことはついに頭から離れることはなかった。どんな教育も、まず受け入れる意思と姿勢とはいうが、殊に固定概念よりも身体や脳に付着・定着した本能的な感覚を否定し、新たな感覚を植え付けるほど難しいことはあるまい。

獲物貪る瞬間の牙感覚、レバニラ炒めの「食哲学」

 レバニラ炒め、私の大好きな一品。昨晩、研修中の新入社員たちとクアラルンプールの「旺旺海鮮飯店」で最高の一品に出逢えた。

 店主から日本式のレバニラ炒めを薦められたとき、正直やめようと思っていた。理由は1つ。日本国内で供されるレバニラ炒めの多くは、レバーの血抜きがやりすぎ気味だからだ。

 レバーの臭みを消すために入念な反復の血抜きをすること、私からすればそれが馬鹿げている。レバーはスタミナ料理、特に血液に含まれている鉄分などの栄養分ほど大切なものはない。せっかくの栄養分を血抜きで除去するのが本末転倒。

 レバーなどの内臓はどうしても臭みが付く。少々の臭みはまさにレバー本来の姿であって、有難く、美味しく、戴きたいものだ。羊肉も然り。その臭みで敬遠する人が多いが、私は臭みがあるから、羊肉が美味しいのだと思う。

 「旺旺」のレバニラは、程よい血抜きでだいぶ血が残っているようで、それに炒め具合の良さが相まってまさに逸品である。歯をレバーに入れた時の感触。その感触から野性味がピリピリと神経に走り伝わると、いつの間にか歯の感覚が牙の感覚に転換する。
 
 ライオンが獲物を貪るその瞬間。現代人に失われつつある野性的本能を取り戻した瞬間でもある。

バクテ、猛勉強の疲れはスタミナで癒す

 自宅での新入社員合宿集中研修。金曜はクラス3の「会社儲けの仕組み、管理会計入門」に入った。猛勉強で頭脳が疲労する。それを癒すのはやはりスタミナ。

 昼食には、妻手作りの肉骨茶(バクテ)が供された。漢方スープの香りが心地よい。そして肉も内臓もスープもうまい。ご飯が進む。午後は、Case Studyでみんな大奮闘。

 来週は研修の後半戦、いよいよ実践演習、佳境に入る。