「立花聡のマレーシア移住」カテゴリーアーカイブ

何を祝うかの53歳誕生日

 10月20日、53歳誕生日。家族と研修で来馬中のベトナム人社員と、クアラルンプールの寿司店「日向」で食事。

 フェイスブックでは、誕生日設定を外したので、大量のメッセージがやってくることなく、静かな誕生日になった。多くの祝福をいただくのが嬉しいことだが、返信怠りがちな私である故の措置だ。

 私はあまり社交的でないというよりも、年賀状を1枚も出さない人である。無論お中元やお歳暮などにも無縁だ。フェイスブックも3000名以上の友人がおり、1日平均10通規模の誕生日祝いメッセージを送ることは物理的に困難である。まあ、いろんな言い訳を並べながら、要するにその辺は不得意分野である。

 家族からも「少しでも丸くなったら」と切に願われていようと、一向に改善が見られない。恐らく死ぬまで改悛はないだろうと、最近は諦められたようだ。

 いろいろあって、誕生日に「何を祝うか」を考える毎年の定例行事である。53歳になった。

我が家でベトナム・ナイト、来馬の友人家族を迎えて

 昨晩、クアラルンプールの自宅でベトナムからの友人を迎えて、食事会を催した。

 先日ハノイで、ベトナム人マネージャー研修通訳でお世話になったリィさんとご家族が旅行で来馬。それに当社新人ベトナム社員もちょうどマレーシア研修中なので、合流してのベトナム・ナイトになった。

 ガーデン・バーベキューでビールや日本酒で盛り上がり、あっという間の3時間。次回訪越の際、是非自宅へとのご招待までいただいた。もちろん喜んでご招待を受け入れ、お邪魔したいと思う。

 ベトナムとのつながりがどんどん深まることで、いろんな新たな勉強ができて本当に嬉しい。

KLの休日、星の王子様ならぬメイドが観光に行く

 日曜日、フィリピン人メイドは休み。タクシーをチャーターして、クアラルンプールの1日観光に出かけさせた。

 ふと思い出せば、彼女が我が家で仕事をして4年になるが、まだツインタワーも行ったことがない。本人はそんな観光に興味がないと言い張っていたが、行きたいかと聞いたら大喜びして頷いた。

 妻が数百リンギットを握らせ、行きたいところへ行って、食べたいものを食べなさいと言ったら、さらに大喜びした。ツインタワーを回って記念写真を撮り、身銭を切って行けないKLタワーに上ってパノラマビューを楽しみ、チャイナタウンもぶらぶらし、レストランで食事を食べて夕方に帰ってきた。

 あの明るい笑顔、本当に無邪気な明るい笑顔をみたとき、私は目頭が熱くなった。

 メイドにタクシーをチャーターして観光に行かせることは、ここマレーシアでは恐らくあまりない。マレーシア人に言わせたら、「ご主人がクレージー」と笑われるかもしれない。いや、クレージーでもなんでもいい。彼女に喜んでもらいたかった。

 会社の従業員なら、毎年海外旅行を楽しんでいるのに、メイドだけは違う扱いして良いのだろうか。メイドについて、マレーシアは厳格な「階級」社会である。メイドにはご主人一家とまったく別物の粗食を与え、水道水を飲ませている家庭も多いし、中に虐待行為も数多く見られている。まったく容認できないものだ。

 周りの同胞メイドと情報交換をしている我が家のメイドは恐らく、自分の相対的好境遇を自覚したのか、とてもよく働いてくれるのだ。仕事には厳しくルールもあり、結果評価もする一方、彼女が受け取るべきリターンはしっかり与える。短い人生のなかでも数年同じ屋根の下で暮らすご縁を大切にしたいと思う。

渋滞雑感、経済成長と地球の収容キャパ

 10月13日(金)、1週間のベトナム出張を終え、帰馬。金曜夕方の到着便で、クアラルンプール空港から市内までは大渋滞。いつも45分の道のりだが、2時間かかった。

 そういえば、ベトナム出張中もハノイで数度にわたって深刻な交通渋滞に巻き込まれた。2~3年前のハノイでは、考えられなかった。クアラルンプールやハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ、アジアのどこにいっても渋滞から逃れることができない。

 中国は自転車大国から自動車大国に変身した途端、環境やら何やらいろんな深刻な問題を引き起こした。ベトナムといえば、バイク大国。それがいつか自動車大国になるだろうから、まさにその時は想像を絶する世界ではないかと。

 経済的に豊かになると、人間は、家と車、静と動の2大資産を求める。そこで不動産と自動車が産業としてさらに経済を支える。よく考えるのだが、地球のキャパシティというか、その収容上限はどのくらいだろうか・・・。

マエストロ古澤氏へブラボー、ディオニュソス的な7番

 9月30日急いで出張先の台北から帰馬したのは、コンサートのためだった。

 10月1日クアラルンプールで、友人でもあるマエストロ古澤氏の雄姿を拝むことができた。ベートーヴェン7番。ワーグナーいわく「舞踏の聖化」をこれでもかというほど体感させてくれた。

 ディオニュソス的なエッセンスが横溢し、全曲クライマックスだった。指揮者としての精神的体力的消耗は半端でない。思わずブラボーを連呼してしまった。

 音楽って、本当に素晴らしい。

<写真>マレーシア・フィルハーモニー・オーケストラ(MPO)を指揮する古澤直久氏(出所:orchestra.or.jp)

KLへ業務機能の集約統合、法順守と経営合理化

 中国で、Yahooもダメになったか。検索できなくなった。当社上海事務所からも報告された。

 サイバーセキュリティ法の実施によって、VPNへの規制も一層強化された。8月1日に、米アップルが中国の「アップストア」からVPNアプリを削除する決定を発表し、同社のティム・クックCEOは、「われわれとしても、できればアプリの削除はしたくない。しかし、他国同様、われわれは自分たちが事業を展開している国の法律に従わなければならない」との立場を表明した。

 当社のような調べ物の多い企業では、正直、仕事にならない。ただ、クック氏が述べた通り、どんな法律であれ、所在国の法律に従うことは企業コンプライアンスの基本である。したがって、当社の場合、一部の業務機能の海外移出はおそらく避けられない。

 中国での人件費の上昇や適材リクルートの困難も相まって、事情が複雑に絡んでいる。全体的に中国やベトナム、アジア業務の統合管理という経営戦略上の観点もあり、当社のクアラルンプール事務所にはこれから本格的に、中国・アジア統括事務所機能を付与すべく、ロードマップの作成に取り組む、とする方針を確定したい。

 激変の時代である。

氷山か氷塊?ボンビーガールのマレーシア移住話

 8月29日に日本のTV番組「ボンビーガール、マレーシア移住特集」が放送されてから、私が発起人で主宰している「マレーシア移住の会」には新規参加者が急増している。
 
 「・・・(マレーシアは)物価が安いし、家賃3万円程でゴージャスなアパートに住めるし、なんか日本に住んでいるのがばかばかしくなる」「ボンビーガールを観てていつも考えているけど、本当にバンコクとかマレーシアに就職してバブリーな生活をするのもいい。考えてみようかな」

 ネットを検索したら、こういうブログ投稿もあったりする。いや、TVの宣伝効果はやはり大きい。ベトナム在住の友人は、「あれはストーリーありきの該当者募集です。少なくともベトナムの放送分は、放送後ベトナムで働きたいという問い合わせは人材紹介会社で増えたそうです」と、教えてくれた。

 まあ、人材紹介会社はだいぶ番組のおかげで商売が舞い込んだだろう。

 ベトナム編もマレーシア編も、私は直接に番組を観たわけではないので(観るつもりもない)、断定的なコメントを控えたいが、番組が取り上げた話は、やらせや作り話でない限り、真実であることは間違いないだろう。

 ただ、その真実は、氷山の一角なのか、それとも単たる氷塊の一粒かが問題だ。どれだけ代表性があるかということだ。言い換えれば、大方の人が番組に取り上げられたような事案をそのまま追体験できるか、あるいは番組事例の複製の可能性、それがどのくらいあるかということだ。

 特に海外番組の場合、現地コーディネーターのスタンスが番組の出来に決定的な役割を果たしていることも珍しくない。そこで彼らの情報ソースや知見、ないし利害関係が絡んでくると、番組の色も随分変わってきたりする。

 随分昔、私も日本のメディアの海外取材の協力で現地コーディネーターを引き受けたことがあった。現地のことについて取材クルーは基本的に何も知らない。現地コーディネーターの言いなりだった。

 こういう番組の裏事情を知った上で、番組を眺めていると、視聴者もずいぶん変わるだろう。メディアは信用できないとかいう人もいるが、「信じる」「信じない」というよりも、「懐疑」をもつことが大切だ。私の書いたこの記事にも、是非懐疑の目をもって接してほしい。

 情報氾濫の時代だ。情報そのものの価値が相対的に低下している。そのかわりに、情報の選択と処理がますます重要になる。自分自身にとってその情報は何を意味するか、その情報がもたらす潜在的リスクとは何か、そしてそこからどのような価値を生み出せるのか、この一連の論理的な思考作業が後続の結果に決定的な効用を果たす。

 情報は、諸刃の剣だ。

<KL>正統派寿司、威風堂々の王道「織部」

 8月2日、妻の誕生日。前日の夕食に訪れたのは、寿司店「織部」。クアラルンプール寿司「御三家」の1つだ。

 正統派寿司の王道。お任せコースで出てくる刺身はまず文句なし。素材のセレクトも取扱いも一級のレベルだ。

 コースはかなりの量ではあるが、単品確認の目的もあって、大食い立花家のことだから、そこで欲張って追加注文をする。寿司屋であえて天ぷらを食べてみようと、いやいやこれはまた天ぷら専門店並みの味ではないか。ただ、不思議なことにつゆに大根おろしがついていない。忘れたのか、それとも店の流儀か、定かではない。

 いよいよメインの寿司に入るが、またもや追加注文――うに軍艦3貫。私が2貫と食欲全開。これも絶品である。

 さあ、ほとんど腹いっぱいの状態でメインの寿司をいただく。あえてここで詳論をやめておこう。一言でいえば、威風堂々の寿司である。貫禄満点。ただカウンターで食べられなかったのが残念。前日の予約でカウンターいっぱいだったから。

 不完全燃焼だったのは、酒。日本酒で「久保田千寿」を頼んだのだが、出てきた酒には劣化臭があった。ただ、店には責任ないと思う。出てきた酒もしっかり冷蔵管理されていたので、恐らく流通途中のどこかで問題が起きたのではないかと推測する。確認しようと、酔っ払ったところ、さらに最安値の「彩都」の1合を頼んでみた。これはまったく問題ない。やはり店の責任ではない。

 あっそうだ。どうしても文句を言うなら、店内のBGM。なんとなく、コンビニっぽい。あくまでも個人的な感覚ではあるが、もう少し店の高級感にマッチするBGMをセレクトしてほしい。

 最後の最後、なぜ卵焼きがないのか。これも不満。

マレーシア航空雑感、クアラルンプール帰還

 7月29日(土)、移動日。ベトナムと中国出張を終え、上海発のマレーシア航空MH389便でクアラルンプールへ帰還。

 離陸後、食事前のサテ・タイムは何よりの楽しみだ。サテはどこでも食べられるが、やはり3万フィート上空のサテが格別な味だ。

 食事は、シェフ・オン・コールという事前オーダー制で十数種類のメニューから好みで選べる。今回の場合、前日にわざわざ確認の電話までかかってくるほど丁寧だった。

 居住地がクアラルンプールに移ってからは、毎月マレーシア航空を利用している。上海とクアラルンプール間は片道4000キロ、飛行時間が5時間強。ビジネス出張には何とか耐えられる移動だ。

 私は機内でパソコンや書類を広げて仕事をしない主義なので、食事や読書、映画鑑賞、思考の時間などでゆっくり過ごすようにしている。

 総じてマレーシア航空には大変満足している。

中国ゼネコンの施工、マレーシアの高級不動産物件

<前回>

 マレーシア不動産投資の話の続き。コンドミニアムを買うなら、せいぜいどこの誰が建てたか、不動産業者が教えてくれるのだろうか。いまのマレーシアのコンドミニアムの多くは、「Made by China」だ。

 クアラルンプールの中心部。高所に登ってみると、こんな風景が広がる。中国ゼネコンが施工しているビルがあちこち林立しているのだ。なかに高級物件も多数含まれている(ブキットビンタンのPavilion Suitesや、KLCCのFour Seasonsなども)。

 中国企業の施工といえば、凄まじい「コストダウン」を想起せずにいられない。だからこそゼネコンの収益性が高いわけだ。固定概念で差別するつもりはないが、個人的には、中国系ゼネコン施工の高級物件は「No, Thank you」で敬遠したい。

 マレーシアには中国系企業がいま殺到している。これはナジブ政権の親中政策とは無関係では決してない。2015年11月に、クアラルンプールで開かれた東アジアサミットの際、安倍首相は、米比などと組んで南シナ海の問題で中国に包囲網を張ろうとしたところ、議長国マレーシアのナジブ首相は何と、ほとんどボイコット状態だった。

 ナジブ氏は当時、政府系投資会社ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)をめぐる一連の疑惑と巨額の債務によって、巨大な政治的圧力がかかって、退陣の瀬戸際だった。そこで、ナジブ氏を助けたのは中国の習近平政権だった。マレーシアに大量のチャイナ・マネーが流入したことで、ナジブ政権は死の危機から逃れたのだった。

 中国の恩に報いるべく、ナジブ氏が政権の座にとどまる限り親中路線を変更することはあるまい。そういう意味で中国企業のマレーシア市場への食い込みは、もはや止めることができない。不動産投資の話から少々脱線したが・・・。

<終わり>