引き篭もりの年始と一年、南国から眺める混迷する世界

 年末年始休み。フェイスブックでは温泉やビーチの写真が満載。友人がみんな思い思いの休暇を満喫している様子が微笑ましい。我が家は旅どころか、外出すらないまま、日本からの来客を一組迎え入れるだけの寂しい年末年始となった。

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 とはいえ、全体的に仕事の量を減らし、読書の時間と、愛犬たちと遊ぶ時間、クラシック音楽鑑賞の時間を少し増やし、一応休暇モードでゆっくり過ごしたつもりだ。

 マレーシアに移住して3回目の正月を迎え、「職住分離」の効果が確実に現れつつある。上海在住時代によく引いていた風邪だが、マレーシアに来てから一度も引いていない。南国に住んでみて北東アジアの気候が厳しいことを再認識した。ただ欠点もある。常夏の南国は温暖でいいのだが、四季を失ったことが何よりも寂しい。雪景色も懐かしい。

 何事も両面性をもつ。完璧を求めてはいけない。といっても、自分の仕事にはこんな甘い気持ちでは許されない。今年は中国情勢が深刻さを一段と増す中、コンサルタントとしていかに顧客企業の課題を捉え、プロフェッショナルサービスを提供していくか、腐心するところでもある。一方、立ち上げたばかりのベトナム事業も同じく課題が山積である。

 世界は混迷している。年明けてみると、サウジアラビア、バーレーン、スーダンとイランが国交断絶。下手をするとISに加えて、中東に広域的な戦火の拡大や延焼になるかもしれない。ホルムズ海峡が封鎖されれば、原油輸入の8割以上が中東に頼る日本にとって致命的な打撃になる。原発再稼動で揉めている場合ではない。

 昨年はパリ爆発やISテロによる人質惨殺事件などが相次ぎ、我が家では予定していたヨルダンとイスラエルの中東旅行を取りやめ、最終的に毎年恒例のヨーロッパ旅行も中止になった。さあ、今年こそ行くぞと意気軒昂のところ、新年明けて早速冷水をかけられ、すっかり弱気になった。

 動乱の世界。いつ、どこで、何があってもおかしくない。そういう意味で、出張以外は、自宅引き篭もりの一年になりそうだ。