<KL>ミシュラン日本一「鮨さいとう」、下衆の極み立花10万円レポート

 4月3日夜、ミシュラン3つ星・日本一と噂される、「鮨さいとう」の唯一海外店であるクアラルンプール店の一般営業の初日に、その暖簾をくぐった。

 正直いって、失望。

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 東京・六本木にある国内本店関連の評判をネットで調べると、ほぼ100%の賛辞。絶賛の嵐だ。唯一海外店のKL店のおそらく一番目の評価レポートとして、私は責任重大である。吟味した結果、「失望」という言葉を使った。あくまでも、私一個人、一顧客としての感性を表し、主観的見解を述べるものである。

 まず、寿司と料理の話。

 ネタは何でこんなに薄切りなのか。一瞬てっちりと思わせるほどの薄さにその理由が分からない。ある程度のボリューム、せいぜい普通の厚みを求める私個人的な嗜好が、さいとう流ではないかもしれないが、極薄の寿司ネタは私の好みではない。

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 醤油付け系ネタが多いのも私の好みではない。この店では、寿司醤油たるものが出されない。「味が付いてますから、そのままどうぞ」。すべて職人好みの押し付けではないか。それが個別にあってもいいが、最初から最後まで全品何らかの味が付いていることで、職人の指定味をいただかなければならない。

 山葵多目にと注文したが、「これで十分多めにしたのですから」と、別途山葵皿を出すことなく、最後まで通した。私個人的な好みだが、寿司にちょろっと、ほんの少量いや微量の山葵と醤油をつけてその香りを楽しみながら、寿司をいただきたいのである。ネタとシャリの間に折り込まれた山葵の香りを嗅ぎ付けられるほどの嗅覚を、私は持ち合わせていないからだ。ごめんなさい、私が下品で・・・。

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 シャリの量も少ない。一品で出された焼き魚もミニ版ほど小さい。これもひとえに私の好みの偏り、エレガントさの欠落にほかならない。さらにいうと、シャリはマレーシア産の日本米とはいえ、国産本物日本米との差が歴然としている。

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 「マレーシア市場に合わせてのアレンジはありませんか」と聞く私がナンセンスのようだ。「いや、うちは斉藤さんのこだわりで、日本とまったく同じものしか出しません」と一蹴される。プライドだ。

 次に、酒の話。

 日本酒は、なんとすべて720ml瓶しか売っていない。我が家族のような大酒飲みでは、1本で足りないので、いつも1本を飲みきった時点で1~2合ほど、しかも異なる銘柄を注文して異なる風味を楽しんで締めくくりにしていたが、ここでは困った。

 逆に1本飲みきれないマレーシア人には、これも困ったものだ。ちょうど隣席にマレーシア華人家族がいて、「うち、とても飲みきれませんので、よかったらどうぞ飲んでください」と助け舟を出してくれる。どうしても飲みたいという私、厚かましくもお言葉に甘えて2合酒のご馳走になってしまったのだった。名刺交換したら、マレーシア某上場企業の社長だった。東大出身で日本語ぺらぺら。

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 日本酒騒動で、素晴らしい人脈ができたことに感謝したい。今度家族ぐるみで焼鳥食事会の約束を交わした。

 話を戻すが、日本酒のばら売りをしない理由は何であろうか。開封して即日完飲できなかった時の劣化懸念か。私が知る限り、よほどの生詰めや生貯蔵酒以外の日本酒なら、2~3日、いや1週間ほど冷蔵保管しても問題はないのではないかと。味が若干変わるかもしれないが、ただ味が変わるのは劣化ではないし、むしろその変化を楽しむ人もいる。

 どう考えても、瓶売りしかしない理由は分からない。聞こうと思ったが、もしやその辺商売上の考慮があるのかもしれないから、聞くのをやめた。

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 さらに、サービスの話。

 これは開店当初というのだから、サービススタッフの熟練さ欠落は致し方がない。ただ、これも隣席の出来事だが、客交替で第2陣で着席したお客さんがセットされた食器を全部動かして、不機嫌そうにテーブルを拭き出した。これだけはあってならないことだ。

 トイレにも少々問題あり。少しではあるが、床に随分古くなったおこぼれの跡が残っていた。時間の経過とともにこういった細かい問題はいずれ解決されていくのだろう。

 あとは、日本人料理人の英語力の問題だ。この手の日本料理店は恐らく日本人客が1割以下。9割ほどの外国人客へのもてなしはある程度の英語力がないと、かなり難しい。お寿司のこと、日本のこと、和食のこと、英語でストーリーを織り成して外国人に披露する、ここまでのスキルがほしい。

 料理人の全体的姿勢を見ると、「斉藤さんがああだ、斉藤さんがこうだ」と、お客さんよりもオーナーに目を向けている印象が払拭できない。

 オーナーの斉藤さんはどうかというと、4月1日と2日の両日、内輪向けのソフトオープンにだけ自ら握ったのだが、3日の一般営業開始とともに、早速もクアラルンプールを後にし帰国した。これは大変残念なことだ。内輪のテスト営業では本当のお客さんの声が聞こえるのだろうか。

 最後に、お金とコストパフォーマンスの話。

 「鮨さいとう」クアラルンプール店のお任せは、1400リンギット(4万円)。東京本店が2万円だから、ちょうど倍になる。同業店比較では、すきやばし次郎本店は3万円。いずれも大幅超えており、世界トップクラスの価格だ。2人でお任せをいただき、お酒もそこそこ良い銘柄にしたら、勘定は軽く10万円を越える。

 価格の問題よりも、価値の問題だ。そこまでの値打ちがあるか。それは消費者それぞれの判断であろう。「高いけど、美味しかった」と言いたいところだが、それがやはり言えなかった。私は下衆の極み感覚でさすがに、超A級を堪能する眼力も財力もないことを今一度自覚した次第でございます。

 「鮨さいとう」クアラルンプール店を後にした私はこれもまたまた下衆の不完全燃焼に苛立ちが募り、帰宅後は自家製のタイ式カレーライスを頬張って、小腹を満たした下衆はようやくすやすやと安眠についた。

 10万円レポートを最後までお読みいただき、ありがとうございました。ご馳走様でした。

「<KL>ミシュラン日本一「鮨さいとう」、下衆の極み立花10万円レポート」への7件のフィードバック

  1. 「すきやばし次郎」もそうですけどミシュランだ下衆の山本評論家にに祭り上げられると「お人柄が自分目線に変わる」んだと思ます。(特に2代目)

    私も下衆ですから斎藤親方がおっしゃるように「すしざんまい」あたりでお好み3千円の鮨は当然ネタ腕に差はありますけど気楽に自分の好きなように注文で来て気分的には満足です。
    ちなみの次郎の「鯖」など乾物かと思うようなところも出てきます。次郎には30年間で10回くらいしか行ってませんが。鮨についは名店と言われるところに言いたいことは山ほどあります。

    「鮨さいとう」にはまだ伺っていないのに余計なことですがレスからもお人柄がわかり立花さんのおつしゃていることはすべてよ~~~くわかります。

  2. うっわ~全然にぎりのことわかってないですね。
    東京の裏路地にある街場寿司でも食べてたほうがいいと思いますよ。醤油と山葵をたっぷり、それと甘めのガリももらってね。いっそ回転すしのほうがいかも知れませんね。
    お金の無駄だと思います。

    1. 齋藤孝司様、あなたは、「鮨さいとう」の店主様で間違いございませんか。そして、このコメントもご自身で書かれたもので間違いございませんか。念のため確認させていただきます。

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