マレー東海岸の旅(8)~活気あっても商売気なしの市場

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 コタバル滞在のもう一つの目的は、マーケットの見学。中央市場、セントラル・マーケットでマレー語では、「Pasar Besar Siti Khadijah」という。生鮮食料品はもちろんのこと、衣料や雑貨、一部土産物まで取り扱っている、まさに総合市場である。

 冒頭に感想からいうと、活気があっても、商売気がない。

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 これは何もコタバルに限った話ではない。マレーシア全体、いやもしや、ムスリム系全体に共通する現象なのかもしれない。本当に商売気を感じないのだ。

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 客が商品を手に取ってみたり関心を示せば、普通なら売り子は「さあ、いかがですか」と商品の自慢をしたり、セールストークを掛けてくるだろうが、マレー系の売り子はあまりそうしない。全般的に、客への無関心さが目立つ。そこで、批判的な目線を向けてはいけない。

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 売れるものは自然に売れていくだろう。これもひとえに神の意志であって、人間が逆らって商売に過剰な熱心を示したり、セールスを仕掛けたりするのがよくないと、そういう認識もあるだろう。

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 実は何を隠そう。私自身もほとんど営業活動をしない人間なので、妙に納得感と親近感を持つのである。熱心な売り込みが鬱陶しくて市場を敬遠する私にとって、ここならゆっくり歩いて回れるのが嬉しい限りだ。

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