アラブの旅(22)~バビロニア国王の夢、メソポタミアを食す

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 ドバイ。観光客にステータスの満悦を与えるような7つ星ホテルや超高級レストランには、まったく興味がない。視察中の昼食場所に選んだのは、イラク料理店「Samad Al Iraqi」。人生初のイラク料理で、ワクワクする。

 イラク料理は、メソポタミア料理ともいう。「メソポタミア」という言葉が出た時点で、想像、いや幻想や妄想が堰を切ったように湧いてくる。

 古代バビロニアの国王が主宰する宴会は、燦爛豪華そのもの。牛や羊、山羊、鹿、鴨、キジ、魚といった豪勢なご馳走が振舞われ、酒も禁止されておらず、ハーブ・ワインもハチミツ入りビールも好きなだけ飲め、酔い醒めのフレーバーウォーター(ザクロジュース)はひんやりして甘露の如く・・・。

魚を見せてくれるシェフ

 「お客様、ご注文は?」。私の束の間の夢を打ち砕いたのは、レストラン・マネージャー。魚が看板料理のようで、厨房まで連れて行ってもらい、いろんな魚と焼き場を見せてもらった。

魚焼き場では巨大魚が焼かれている

 30分後、私が注文したハタが運ばれてきた。いやいや大きいこと、前菜も薦められたが、断ってよかった。中東・アラブの料理はとにかくボリュームが凄い。コースやセットなど絶対に考えていけない。とにかくメインの1品だけ。小食の日本人なら2人や3人で1品をシェアしても十分だ。

 魚の味は?今回中東で食べた魚の中でトップ賞に値する。

 ご馳走様でした。戦乱が終わったら、イラク旅行に行きたいなぁ。

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