世には全面禁煙進む、棲み分けで知恵絞れ

 今日の夜便でクアラルンプールからハノイに向かう。月例のベトナムと中国出張。そういえば、上海は3月1日から新法施行で全面禁煙に突入し、毎晩ホテルの客室での一服はお預けだ。

南国の空の下、至福のひと時

 私は葉巻派。タバコはまったく吸わない。葉巻の場合は、タバコの比にならないほど香りがきつい。当然周りへの影響を考えると、かなり肩身が狭い。自宅でも、庭や室外デッキでしか吸わない。飲食店は基本的にご法度。回りの迷惑になるし、料理の香りや味を破壊してしまう。

 禁煙条例の話に戻るが、私は無差別の全面禁煙には反対だ。喫煙者にも無論喫煙の権利があるわけだから、全面否定はできない。受動喫煙というのは、自分の意思によらずどうしても喫煙の場所を利用せざるを得ないという状況である。この場面さえ回避すれば、嫌煙者と喫煙者の双方の権利が守られる。

 飲み屋に全面禁煙をやったら、だいぶ商売に影響が出るだろう。バーだったら、禁煙バーと喫煙バーを分け、タバコを吸わないが飲みたい人は禁煙バーに行けばよい。もう1つ、喫煙飲食店で働く従業員はどうだろうか。それも選択の自由に委ねるべきだろう。あるいは喫煙店の従業員に受動喫煙手当を出すのも一案。その分喫煙店の飲食代金を割り増しにしてコストを喫煙客に転嫁しても良いだろう。

 JTが提唱している分煙政策も実務上でもう少し知恵を絞れば、いろんなやり方があるはずだ。この世の中、「棲み分け」が大変重要だと思う。

コメント: 世には全面禁煙進む、棲み分けで知恵絞れ

  1. 立花先生は、喫煙者の最後の盾ですね。

    ただ、禁煙へ向かっている潮流の速さを考えると、分煙等の過渡的な措置をとると採算を合わせるのが難しいかと思います。

    分煙シートの割合は固定できないですから、喫煙者が減っていく度に非定期にシートや壁を入れ替えなければならないということになりますね。そうなると相当高額なチャージを上乗せしなければならいことになり、少なくともチェーン店レベルのお店では実現不可能ということになりそうです。

    セレブクラスの人であれば、お店から家でコックを派遣してもらうのが現実的ではないでしょうか。

    実は、私は公共の場所で他の人が喫煙していても全く気にならない・・・と自分では思っていました(私自身は喫煙したことがありません)。中国ではどこでもタバコを吸っているわけですしね。

    ところが先日、帰国してインターネットカフェに行って考えが変わりました。喫煙OKの欄にチェックをしてシートを選んだら、喫煙者ルームを割り当てられたんですね。そして、喫煙ルームに入った途端、物凄いタバコの匂いにむせて慌ててカウンターまで戻って非喫煙の部屋に変更してもらいました。

    分煙されていなければタバコの濃度が薄いから耐えられるのですが、分煙された喫煙のルームでは濃度が濃すぎて耐えられなかったのです。

    そんなことからも、一度(完全)分煙というところまで進んでしまったら、加速度的に全面禁煙へと向かっていくのではないかと考える次第です。

    1.  喫煙はタバコ産業というのですが、禁煙にも利益集団がついているし、一種の産業といってもいいでしょう。たとえが妥当でないかもしれませんが、慰安婦問題とか一見市民活動のようなものも利益集団が形成すると、産業化していきます。大義名分のついている産業とそうでない産業の戦い、そういう世界ですから・・・。分煙もいろんな形が取れると思います。コストは多少かかるでしょうが、現代社会の取引コストですね。

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