悪口毒舌怪物の自己弁解

 先日、ある友人に言われた――。

 「立花さんの悪いところは、人の悪口を言うこと。立花さんの良いところは、当人の前でも後ろでも同じ悪口を言うこと」

 確かにそういう傾向がある。とはいっても、「悪口」は実はいろんな形態がある。事実無根の悪口なら誹謗中傷になるので、訴えられても文句を言えない。一定の事実に基づく批判なら、私からすれば「悪口」の範疇に入らない。

 某顧客の海外現地社長を前に、私は、「あなたは社長に適していません。理由を申し上げましょうか」と言ったら、先方が「もう結構です」と顔を真っ赤にして打ち切った。「聞く耳お持ちでない。やはり適任ではなかったのですね」という私の最後の一言で先方が真っ青になった。

 もちろん、その顧客を私は失った。だが、後悔の気持ちが微塵もない。「それにしても、あなたのような変わり者には、よくも付いてくるお客さんがいるわね」。これは妻が私に与えてくれた最大級の賛辞だ。

 それよりも、こんな変わり者に、よくも我が妻が27年もついてきたなあと、涙が出る。