3Dとノースアップの経営学、自己中心から俯瞰的大局観へ

 車運転用のカーナビ表示。3Dからノースアップに設定を変更した。

 3D表示では、運転席に座ったままの状態で左右前方をリアルにモニターリングできる。実に便利な機能だ。ただ、「自己中心」の表示でもある以上、全局・大局観を得られない。すると、道が早く覚えられない。

ノースアップ表示

 私はクアラルプールに住んですでに3年半も経過しているのに、いまだに道を覚えられない。めったに運転しないのと、世界一といっていいほど複雑な入り組んだ道路網をもつ街であることもあって、まあ、いろんな理由はあろうが、3Dナビ頼り切りという私自身の原因が大きかった。

 3D表示では目先のリアルな景色が分かりやすく、さらに「右行け左曲がれ」という音声案内があれば、何も考えなくてよい。ただひたすら指示に従って運転すれば、知らないうちに目的地に着く。その分、道を覚えない。

 ノースアップ表示、つまり北が常に上にくる通常マップ型の表示では、俯瞰的な大局観が身に付く。「自己中心」ではない分、考えることを求められる。

 ふと気付いたことだが、会社経営もまた然り。特定の組織にいると、目先の景色だけが鮮明に見えても、ついつい大局観が失われる。今現在の所在位置、行こうとする目的地、そしてルートの構成などといった重要な要素をつねに意識しておかなければ、経営や管理などはできまい。