世間一般に人並み、幸福バロメーターが不幸の原因

 人間は、みんな他人と比べたがる。ただ、比べ方が違う。

 マレーシアも中国もそうだが、世界の常識では通常、横一線を突破して上へ行こうという前提で比べるのだが、日本人の場合、下に落ちないために横と比べるのだ。

 高度成長期の場合、全員、横一線が揃って上へ移動するので、それで大きな問題はない。ところが、停滞期に入ると、横一線が崩れる。そこでたとえ相対的下位に落ちただけでも、妬みが生じる。

 「世間一般」や「人並み」が日本人の幸福バロメーターになっているからだ。世界では、そもそも、「横」という線は存在しない。存在するのは、一人ひとりの所在位置である「点」だけだ。

 これから、横一線という常識(非常識)をもつ日本人には、地獄が待っているかもしれない。
 
 妬みは、幸福の最大妨害要因だ。では、妬みを治す薬は何かというと、幸福なのだ。幸福感がないから、妬みが増える。妬みが増えるから、幸福になれない。