アイスランド(10)~レイキャヴィーク旧港美食めぐり

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 日本のガイドブックにほとんど取り上げられていないが、レイキャヴィークの旧港前は美食の集結地である。

 レストランの裏に回って厨房から漂ってくる食材や調理のにおいを嗅ぎ付けて判別するのが、立花家独自の流儀だ。犬のように・・・。

 レストラン「Hofnin」はベストである。昼と夜、2度も足を運んだ。期待が裏切られることはなかった。魚介類の取り扱い術は一流だ。

 ムール貝のワイン蒸しは絶品。一見小ぶりのムール貝ではあるが、身の濃密度(変な表現だが)が抜群。海の香りとワインの香りが絶妙なハーモニーを織り成す。

 同じレイキャヴィークの旧港に位置する、もう1店は、「KOPAR」。これも絶賛に値する。白身魚の料理が絶品。ただソースが濃厚系なので、アジア人の場合、胃袋の限界を意識させることがある。誤解のないように、決してまずいわけではない。旨いのだ。

 私の場合はそのとき、躊躇なくワインをやめて、アイスランドの地酒ブレニヴィンに切り替える。キンキンに冷えたブレニヴィンががらりと食感を変えてくれるからだ。一気に消化系統と神経系統が引き締まり、正確に言うと、食感がゼロベースにリセットされてしまう。

 あまりの美味しさでブレニヴィンのお代わりを頼むと、さすがにウェイターも驚いたようだ。

 ご馳走様でした。

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