グリーンランド(4)~ズワイガニやオヒョウ、北極美食三昧

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 グリーンランドは、世界最大の島として美食の宝庫である。その筆頭にあがるのが、ズワイガニ。現地では、雪や氷の極寒海域に生息している故に「Snow Crab」という英名が使われているが、まさにその通りである。

 漁獲後船上で瞬間冷凍して船凍品として日本にも輸出しているが、やはり現地で水揚げして直送するものには勝てない。身の甘み(極甘)と、ほどよく繊維を感じる食感がたまらない。持参した醤油とわさびだが、醤油は無用でわさびを少しつけるだけでいただく。

 ただ不満がある。日本では片方の肩と脚をまとめた半身で販売されることが多いが、グリーンランド現地の場合、脚だけが供されており、甲羅どころか身がついてこないのだ。残念だ。あと、贅沢に言わせてもらうと、旨味や香りを強化する炭火焼も出してほしかった。

 魚の部では、なんといっても、オヒョウだ。形状や生態はカレイに似ていて、1mを超える巨大カレイといったところだが、体だけが大きくても決して大味ではない。ソース仕立てもいいが、これも贅沢にいってしまえば、刺身や煮付、あるいは唐揚が食べたい。

 肉の部だと、ラム肉はアイスランド同様、申し分なし。肉質は柔らかくて臭みがまったくない。肉汁がしっかりソースに溶け込んでいるので、パンにソースをたっぷりつけて食べるのが最高。

 さらに、グリーンランド地産のジャコウウシも素晴らしい。ただ焼き加減はレアと注文したのに、出てきたのは、ミディアムに近いミディアムレアだったのが残念。ブルーレアで注文すればよかったと後悔している。

 と、いろいろ贅沢な文句もいっているが、グリーンランドの美食三昧には大満足している。

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