北欧帰りの郷愁晴らし、「炭家」で焼鳥三昧

 北欧からクアラルンプールに戻って、郷愁晴らしにまっすぐ駆け込んだのは、焼鳥店「炭家」(Sumika)。とにかく無性にこの味にありつきたいという一念。

 やっぱり、私はアジアから離れられない宿命だ。欧米にも数多くの美味はあるものの、身体の本能的な渇望はまったく異質なものだ。抗えない。

 久しぶりに「炭家」のマスターのお顔を拝見したくても、背中姿か正面でも煙に覆われてよく見えないのだ。相変わらず忙しい。いや忙しいどころではない。彼は1人の人間として労働生産性の極限に挑んでいるのだ。

 この味よ、この味。私が渇望していたのは。涙が出るほどの感動。酒が進む。1杯1杯また1杯。

 個人的な感想だが、焼鳥に関してクアラルンプールでは、一番美味しい店は「炭家」しかあり得ない。味だけでなく、経営者の経営方針や姿勢にも共感を覚えるところが多々ある。

 ラム肉もあったので、北欧帰りの余韻で頼んでみた。これはニュージーランド産だが、北欧と変わらないほど旨い。取り扱いも上手で焼き加減もちょうど良い。申し分ない。

 本当に大満足。長旅の疲れはこれですべて消えた。ご馳走様でした。