狩猟採集社会から農耕社会へ、進化に伴う喪失と退化

 狩猟採集社会から農耕社会への所謂進化は、果たして「進化」といえるのか。

 その進化に伴う喪失ないし退化とは何か。やはり生存本能の弱化と、その弱化を正当化する諸解釈である。つまりは、牙を悪とする解釈だ。

 狼と羊。狼がなぜ悪、羊がなぜ善なのか。種の進化を科学的理論としながらも、倫理的解釈を導入する。その時点で人類が自ら自己矛盾を抱え込む。

 哲学からも科学からも逸脱する諸々の解釈を、とうとう宗教で裏付けようとする。

 大勢の弱者は、死後の彼岸に天国という極楽世界が待っているのだと。そんなにいいのなら、早く死んだ方が良くなかった?これも矛盾だ。

 ニーチェいわく「事実はない、解釈のみがある」。まさにその通りだ。

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