西塘古鎮(1)~水郷と細い路地とノスタルジア

 11月5日(日)。休日を利用して、西塘古鎮の見学に出かける。

 西塘は、上海との境界に位置する浙江省嘉興市嘉善県にある小さな街。松江から車で40分ほどで着く。周荘や烏鎮など他の江南水郷古鎮と比べると知名度がやや低く、街の規模も若干小さい。

 ここ数年、観光地としてのブランディングが始まり、整備も急激に進んだようだ。とはいえ規模が小さいだけに、街全体がひっそりとした雰囲気を醸し出している。私はどちらかというと、そういうマイナーなところが大好きである。

 街の特徴はやはり、「弄堂」と呼ばれる路地。そびえたつ壁と壁の間の細い路地は不思議な異空間を構成し、まさに非日常的だ。石皮弄は西塘一番幅の狭い路地。その幅はなんと80センチしかない。見上げると、空が線のように見えてしまうことから、「一線天」という別称をもつ。

 日曜もあってやはり中国らしく、観光客が殺到している。ただ、街のノスタルジアがそれで破壊されることなく、いいムードを出してくれる。何よりも店の人たちがそれほど商売熱心でないところが好きだ。

 西塘の旅が続く。

<次回>

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