生保手続苦難記@大阪某N生命支店

 大阪出張の主たる目的は、生命保険料の支払いクレジットカードの変更手続のためだ。

 先日のブログにも書いたとおり、日本で加入している生命保険の保険料自動引き落とし用クレジットカードを変更しようとN生命に連絡したら、「ご本人様のご来店が必要だ」と言われた。なぜオンラインでできないのかと聞いたら、実物のカードを使って店頭のPOSでデータを読み取らないとできない、と。

 まったく前近代的な話だ。とはいえ、やはり店頭へ行かざるを得ない。そのためにわざわざ航空券を買って、大阪出張を予定に入れたのだった。せっかく店頭へ行くので、事前に保険の全体的見直しを行った。そこで、役に立っていない、これからも役に立たないと思われるある特約の存在に気付く。特約もこの際、キャンセルだ。

 N生命の大阪某支店の店頭に行き、一通り手続を依頼すると、40代の女性保険外務員がやや堅い表情で接してくれた。それはそうだ。彼女にとって全然プラスにならない話なのだから、致し方ない。で、手続を待っている間に突然彼女が豹変したかのように笑みを浮かべた。

 外務員「FXなど、ご興味ございませんか」
 立花 「特に興味ありません。海外在住ですし」
 外務員「外貨積立の新商品をご案内させていただきます。○×○×・・・」
 立花 「せっかくですが、海外在住なので、収入も外貨ですでに海外で外貨を運用してますから、結構です」
 外務員「この新商品は、非常に良い金融商品で、○×○×・・・」
 立花 「何回も申し上げてますが、我々は海外在住でわざわざ日本で外貨運用する必要がありません」
 外務員「でも、このパンフレットをご覧ください。運用に関しては○×○×・・・」
 立花 「それは要りません。手続を早くしてください」

 やっと、手続が終わろうとした。

 外務員「手続の書類となりますが、こちらの証券番号で間違いないでしょうか。ご確認ください」
 立花 「保険証券は持ってこなくていいといわれたので、証券番号分かりませんよ」
 外務員「でも、一応お客様にご確認いただくことになってますから、ご確認いただけませんか」
 立花 「知らないものは知らない。確認しろと言われても、できません。それよりも、御社のデータベースで調べたらいかがですか」
 外務員「はい、じゃ、見てみます。あらっ、すいません。番号やはり間違ってました、すぐ直します。もう一度書類を作り直しますので、少々お待ちください」
 立花 「・・・」(言葉が出ない)

 またまた、待たされること十数分。今回はやっと終了になる。変更された新クレジットカードを渡すと、外務員がPOS機とカードを持って戸惑う。「お客様、カードのどっちから入れればいいんでしょうか」

 もう、絶句。記入間違いで破棄となる書類も含めて、山積みの紙とにらめっこして、ようやく1時間を超える手続が終わった。電子化時代に逆行することもさておきながら、社内用の書類もすべて美しいカラー印刷になっている。コストは?

 世界に取り残される日本の金融保険業という大げさなことを言ったら、怒られるかもしれないが、すくなくともN生命の店頭で見た光景は私にとって衝撃的であった。

 私の死亡保険金をちゃんと払ってくれるのだろうか。私の死亡までに、この会社が死亡しないことを切に願っている。

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