問題解決の商売、コンサルタントのカモになるな

 日本企業の経営コンサルをやっていると、顧客が経営現場の問題点を挙げて、解決法を尋ねてくることがよくある(当たり前だが・・・)。

 「A問題点は、どう解決するか?」

 そういう時は、「なぜ、A問題点が出てきたか?その原因は?」と尋ねてくる方が少ない。

 実は、A問題点の発生原因を突き止めると、解決法が自ずと出てくる事が多い。それだけでなく、B問題点も、あるいはまだ顕在化していないC問題点も、解決できてしまうのだ。

 大方の経営コンサルタントは、聞かれた「A問題点」の解決法だけしか言わない。すると、次の「B問題点」や「C問題点」が出てくれば、2度も3度もコンサル料が取れてしまうのだ。都合がよい。

 そこで、「A問題点の原因」を下手に追及すると、コンサル料の利益逸失だけでなく、顧客の不快や不満を招く場合すらある。――「聞かれたこと、答えろよ。それはコンサルタントだろう」といわれたらオチだ。

 二八法則があって、8割の人はまっすぐ答えを求めるのであって、原因追及には関心がない。コンサルタントからすれば、とても都合のいいことだ。