飲めや食えや、マレーシア日系飲食店の「水商売度」

 久しぶりの外食。クアラルンプールの行きつけの某焼鳥店である現象に気付いた――。マレーシア人客(華人)の飲酒率が上がっているようだ。

 昔は、焼鳥を食べながらオレンジジュースや無料のお茶といういかにもミスマッチな光景が日常茶飯事だったが、最近ずいぶん減ったような気がする。

 飲食店によっては「売上に占めるFD比率目標」が設定されている。FD比率とは、売上高に占めるFood(料理)とDrink(ドリンク)の比率を示す指標である。一般的に原価率が低く利益率が高いのは、フードよりもドリンクだ。いわゆる「水商売」の稼ぎが良いわけだ。オペレーションがシンプルで、食材廃棄ロスもフードよりはるかに低いからだ。

 日本国内の居酒屋系ならFD比率はフード:ドリンク=6:4といわれている。一昨日の食事は4人で日本酒の720ml瓶を2本空けて、焼鳥をたらふく食べて、さあFD比率はと伝票を見て計算すると、ちょうど6:4だった。普通の客なら酒1本くらいかな。そうすると7:3あたりで締める。グラス飲みの外国人だと8:2もあり得る。

 全体的にまだ「水商売度」が高いとはいえない。

 飲めば食欲増進で更なるフード注文につながるという相乗効果もあるため、やはり飲食店にとってみれば、お酒をたくさん飲んでくれる客のほうが有難いだろう。ただ、日本人のような「飲み」文化を有しないアジア市場(除く韓国など)でいかにこのような飲食スタイルを広げるか、1つの重要課題であろう。

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