日曜の午後は、月例コンサート。その後は、クアラルンプール中心部のチャンカットブキビンタンで夕食。場所は行きつけのスペイン料理店「El Cerdo」。お目当てはいうまでもなく、豚肉。
この店の豚肉がうまい。日曜日のメインは、グリル豚肩肉ステーキ。イベリコでもなんでもない普通の豚肉だが、ここまで良い味を出してくれる店は少ない。しかも、安い。
マレーシアはイスラム国家。衆知の通り、ムスリム(イスラム教徒)には豚肉の摂取は戒律によって禁止されている。国民の75%にあたるムスリム国民が豚肉を食べないだけに、マレーシアはまさに「豚肉小国」である。
だが、「El Cerdo」という店は、スペイン料理よりもなんと、豚肉を看板にしている。逆説的ではあるが、要するに少数国民向けの「豚肉専門店」なのである。それが大繁盛して連日予約なしでは入れないほどである。日曜日も7時になれば満席だった。
マイノリティ市場の魅力とは、これなのか。なかなか興味深い事例である。