天罰と浪費税

 世界の飢餓人口は10億人近くに達している(FAO(国連食糧農業機関)統計)。たとえこの豊かな日本の中でも、震災後1か月以上、一度も温かいまともな食事にありつけていない被災者たちがすぐ私たちの近くにいる。

 にもかかわらず、ご覧ください。東京都内の某レストランで撮影したものである。半分も残っている料理、そして白いご飯はほとんど箸もつけていない・・・。

55254_2東京某レストランの食べ残し現場

 私はご飯一粒でも残したら天罰があたると教育されて育った古い人間だ。中国に住んでいると、一番苦手なのは中華料理の宴会。たくさん食べ切れない料理を残していくのを見て、心が痛んで言葉も出ない。

 「命」を大切にする。米粒だって、命だと思う。魚も肉も野菜も、みなかけがえのない命なのだ。日本人は、「いただきます」と「ごちそうさま」で食べ物という「命」を大切にし、感謝する心を持つ民族なのだ。しかし、いまの日本は、年間数千万トンの食品廃棄物を出している世界一の食品浪費大国になった。

 食品浪費だけでなく、加工食品や調理のために使われる電気やガス、水を算入すると、エネルギーの浪費はまさに甚大である。そのために、地震大国にもかかわらず、日本は世界一の原発密集国家になっている。

 東日本大震災後、石原都知事の「天罰」発言がずいぶん叩かれた。彼の表現に問題があるかもしれないが、主旨は間違っていない。大震災は、日本人全員に対する天罰だ。東北の人たちは、「代理受難」しているのだ。

 増税せずにいられなくなった日本だが、まず「浪費税」を設けたらどうだろう。

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