「Asia Plus J、Sell in China」、グローバル戦略の流れはどう変わるか

 パナソニックやTDKの国内回帰・・・。

 年頭、ふと思いついたこと。「China Plus One」に、「Asia Plus J」も選択肢として加わったのではないかと。プロダクトラインの見直し、日本市場需要分の現地供給といった戦略調整が一般化するだろう。工業製品も「産地直送」だ。

 以前、某中国人教授から聞いた話だが、「中国の労働契約法の立法研究に、アメリカの政策機関から研究援助資金の出資の申し出があったり、米系労働組合が支援に乗り出していたり、異様な雰囲気だった。解雇自由のアメリカがあれだけ熱心に中国の雇用保障に口出し、労働者の権利意識の覚醒喚起に熱を上げた理由はたった一つ、比較的に自由だった中国の労働市場の流動性を奪い、厳格な解雇規制から中国の急激な賃上げと生産性低下を引き起こし、最終的に米系製造業を国内回帰させ、あるいはメキシコや将来的にキューバあたりの中米、米国制御地域内に移動させるのが目的だ」

 個人的にこういった断定的かつ一面的な結論付けには全く疑問を感じないわけではないが、その後の数年、アメリカ国内では「リショアリング」(中国離れ・米国へ再上陸、産業回帰)が語られ、ブームになったのも事実。今見れば、中国国内労働市場の現状はほぼこの教授が予測したとおりになったし、キューバに関して直近発表された米国との関係改善もまさにその通りだった。

 製造業の国内回帰の一元化はありえない。海外生産分について政治的制御可能な地域に配置させるという観点からすれば、アメリカにはメキシコ、そしてこれから取り組むだろうというキューバあたりになるが、日本にとってみれば、東南アジアほかない。

 中国市場は放棄するのが愚かだ。とにかく、チャイナ・マネーを稼ぐことだ。売れ売れ、中国人に売りまくれ!といった調子でいい。

 「Asia Plus J、Sell in China」