富裕層ビジネス成功のコツとは、日常と非日常の関係

 世界三大アロマテラピストの1人とされる、ジョジアンヌ・ロール氏の弟子、石井里枝さんが香港から来馬し、自宅に2泊泊まってもらい、いろいろと話を伺った。

 石井さんは上海時代の友人で、後日香港に移り地獄の試練を経て起業に成功。いまや、香港をはじめとするアジア地域で超富裕層の顧客を多数抱え、大活躍する存在である。

 富裕層向けの美容業界。単にトリートメント製品の販売だけではない。単にマッサージなどの施術だけでもない。一人ひとりの顧客の考えや目線に合わせ、その人の世界に入ることによって、共鳴を引き起こし、そこで信頼関係を生み出していく。

 これがまさにいま、これからの時代のビジネスモデルではないか。社会の変遷によって、ボリュームゾーン(中間層)が溶けてきている。セグメンテーションをはじめとするマーケティングの技法においても、従来のものが通用しなくなってきた。富裕層や超富裕層相手のビジネスとなると、商品だけでは勝ち残れない。

 富裕層ならお金に糸目をつけないと思ったら大間違い。お金にシビアな金持ちはたくさんいる。お金を使ってもらう以前に、幸せの見つけ方を提案・提示・提供することだ。顧客が体験をもって納得すれば、いくらでもお金を使ってくれる。その前工程で勝負するのである。

 商品やサービスというのは、富裕層ビジネスにおいてただのツールに過ぎない。良い商品やサービスは世の中に腐るほどある。全体的に供給が需要を超えている。単なる商品やサービスだけでは売れない世界だ。

 従来のボリュームゾーン、一般消費者の多くは商品を手に入れることによって幸せを見付ける。ベンツに乗ることによって、ロレックスを腕に付けることによって、ルイヴィトンのバッグをもつことによって、幸せを得る消費者なら、商売はやりやすい。消費者が憧れる「非日常」を売ればいい。

 しかし、富裕層や超富裕層にとって、世の中どんな贅沢な商品やサービスがあっても、すべて手に入るし、実際に手に入れているのあれば、もはや形のある「非日常」がすべて彼たちの「日常」になっている。そこで、彼たちにとっての「非日常」とは何か、それを知り、描き出し、提示すれば、富裕層顧客向けのビジネスは大成功するだろう。

 石井さんの仕事の現場、フランスのブルゴーニュ訪問を誘われ、来年の予定として立てたい。

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