マレーシア移住5周年雑感、融和と平和の二兎追えないとき

 5年前の今日、2013年10月8日。家族と愛犬2匹とともにクアラルンプール国際空港に降り立った。一家のマレーシア生活の始まりだった。

マレーシアの自宅前で

 マレーシア移住5周年、この国に住んで感じたこと、思うことはあまりにも多くて語りきれない。結論からいえば、移住は正しい判断だった。移住を決めた2012年当時、中国はまさに最盛期だった。こういう時期に多くの仕事を犠牲にして何でマレーシアに住むのかと、社内からの批判だけでなく、周りからも不信の目線を感じた。

 確かに移住直後の一時期、中国の仕事を一部失った。徐々に定期出張で回復したとはいえ、損失が出たことには変わりない。しかし、その間に大きな変化があった。マレーシアという場所に住み、アジアの全局観というか、複眼的な目線を持てるようになったのである。

 最近になって、「立花さんは先見の明があった。中国の斜陽化とアジアの興隆を見通した」といった賞讃も受けたりするが、正直確信はなかったものの、直感的な部分は確かにあった。1つの仮説として自分自身が検証していくという意味で、この5年間は大変有意義だった。その間、ミャンマー進出を直前中止し、ベトナム展開へと進路を変えたのも正解だった。

 しかし、こういった可視的なリアル・ビジネスよりも、非可視的な部分に目を向けると、上に述べたようにより複眼的な目線をもったことの意義が大きい。経営コンサルタントとしての足跡を回顧すれば、未熟さが目立ち、自省に自省を重ねる機会を得たのである。

 哲学や歴史に加え、宗教という目線も得た。マレーシアというイスラム教国家ならではの体験現場で多く学んだ。ビジネス実務よりも根幹部にあるのはやはり思考基盤というインフラであって、そこから生み出される可能性は無限大だ。グローバル時代と叫ばれる現下、私はどちらかというと、よりローカルの部分に興味を持った。

 多様な価値観の共存と融和はそう簡単ではない。衝突や闘争を避けるうえでも、分断の善化が選択肢として浮上し、棲み分けも平和への道となる。融和と平和の二兎を追えなければ、その優先順位を決めたうえで取捨選択する必要が生じる。平和主義というプライオリティを掲げたうえで、あえて融和よりも毅然と棲み分けを選ぶべきだろうと、そう感じた。

 そうした部分は経営コンサルタントの仕事に強く影響を与え、じわじわと浸透し始めている。

タグ:

コメント: マレーシア移住5周年雑感、融和と平和の二兎追えないとき

  1. FBにて本名で・・というお話を頂きましたが、何かというと、「ブロックだ!」、「解除だ!」と独裁者のように振る舞う立花先生の前では、本名どころか、本音もいえない雰囲気です。実際、コメントをみると、「御意!」とか、「同意!」とか、(どのように同意しているのかを書かずに)立花先生に迎合するものが圧倒的に多いですね。長い文章のコメントであっても、逆鱗にふれないよう、非常に慎重に立花先生の意見を踏襲しながら書いておられるケースが目立ちます。皆、はれものに触るように接しているのですよ。

    立花先生のような独自性の高いご主張が多い場合、自然な形であれば、反対意見が溢れるものです。数千ものフォロワーがいながら、反対意見がほとんどないというのは、はだかの王様扱いされていることをご自覚なさるべきです。笑われて当たり前の、猿のお歳になられるのはまだ早いのではないでしょうか。

    1.  同一人格を維持する勇気すら持たない輩が、見下すべき「独裁者のFB」に興味津々でフォローしている。誠に面白い現象だ。

      1. >同一人格を維持する勇気すら持たない輩が、見下すべき「独裁者のFB」に興味津々でフォローしている。誠に面白い現象だ。

        立花先生は、ネットついても、FBの機能についても、理解が十分ではありません。少なくともこれらの分野で、何かを断定なさるほどには。そのへんはご自重なさったほうが、どこかで恥をかかずに済むと思います。

        あと、私は立花先生を見下してはいません。(全てではありませんが)多くの点で敬意を抱いていますが、迎合は致しません。立花先生が言っていることが正しいと思うときもあるし、間違っていると思うこともあります。これが普通の態度でしょう。FBでコメントをなさっているかたは、立花派であれば、「御意」、「同意」と反対意見が何一つない。これはおかしいですよね。これこそ、「誠に面白い現象だ」ですね。

        また、議論の内容には関心がありますが、同一人格うんぬんについてはあまり興味がありません。あえて言えば、一つの記事内で議論の一貫性が保たれていれば十分ではないでしょうか。重要なのは誰が言ったかではなく、何が語られたかですから。

        1. 私は、同一人格に強く価値を置きます。なので、あなたのOSとは違います。これは私の判断です。私のサイトへのあなたのコメント書き込みは不要です。FBでも、勇気をもって私を解除していただきたい。

          1. ネットでご意見を主張するということは、街頭演説をしているのと同じことです。コメント欄が公開されている限り、誰でも意見を述べることができます。内輪でやりたく、他から意見を聞きたくないないならば、自分がそういう人間であることを明確にしてコメント欄を閉鎖するなり、会員制度にすればよろしいでしょう。

            コメント欄をあけておいて、自分がオープンマインドな人間であることをアピールしつつ、お前のような人間は来るなと選別するのはどうなんでしょう?コメント欄の上に、「賛成意見だけをご記入ください」とでもお書きになりますか?

            また、立花先生ご自身、FBで、相手のニュースフィードに無理やり乗り込んでしつこく投稿したりしているのは、何なんでしょう。最後には、「私のニュースフィードに反論を入れてください」というような捨て台詞まで残しておられますね。ご自分がおやりになっていることとご主張に矛盾を感じておられないのですか?

          2.  賛成反対には関係なく、同一人格を有しない、OSの違う人を拒絶し、棲み分けするのが私のルールです。ちなみに私は他人のニュースフィードでは、すべて堂々と一貫した本名で意見を述べています。意見が違うが、OSを共有している友人もたくさんいます。あなたとは違います。だから、あなたは歓迎されない。しつこく来ないでください。私のSNSやサイトの運営ルールは私が決めます。あなたに意見を求めるつもりはありません。あなたがどう非難しようとも、断じて変えることはありません。お引き取りください。

  2. 「棲み分け」。立花先生がよく言及される概念ですね。
    ただ、よくわからないことがあります。立花先生はしばしば、「OSが違うから」という理由で一方的に議論を打ち切ったりしますね。これが「棲み分け」の延長上にあるなら、それはそれでいいと思います。
    ただ、その一方で、フェイスブックなどで、他の方の投稿に乱入して議論をふっかけていたりします。こういった行為は、「棲み分け」や「OSが違う」といった概念と矛盾しないのでしょうか。このような行為は立花先生にとっては、「OSは同じで意見が違うということなんだ。だから正誤をはっきりさせたい」となるのか、「相手が『OSが違うから棲み分けしましょう!』と言ってくれれば議論の継続は断念する」ということなのか、どちらなんでしょうか?
    また、OSが同じか、違うかということは、議論をふっかけたほうが決めることなのか、ふっかけられたほうが決めることなのか?どちらになるんでしょうか?

    1.  「OSが違うから」で議論を打ち切るのではなく、議論ができないことです。あるいは議論は時間の無駄だからです。「フェイスブックなどで、他の方の投稿に乱入して議論をふっかけていたりする」というのは、具体的に事例を挙げていただければ、説明しましょう。

       一般論として申し上げますと、「OSの違い」の判断は概ね3パターンがあります。当事者A一方的な判断、当事者B一方的な判断、AとB双方の判断。それから細かくいうと、判断する力と判断する基準にも係わっている。

       さらに補足します。フェイスブックと仰いましたが、フェイスブックを例にしましょう。OSの違いに起因して一部の友人が私を解除したり、また逆に私から解除したり、そういう事例はいままでたくさんありました。それは上記の判断パターンのどれに該当するかよりも、結果として「棲み分け」になり、それは良かったのだと思っています。

       話を戻しますが、あなたが、私のことを「乱入」やら「議論をふっかける」というふうに、もしやマイナス的に捉えられているかもしれませんが、私は反論しませんし、議論しようとも思いません。それはあなたの感覚の率直な表現だったからです。

       最終的に「ああ、やはり立花さんとOSが違うんだな」と思ったら、じゃ、この人の書いたものは読みません。フェイスブックでも解除しようと、そうなった場合、非常にナチュラルな「棲み分け」で、私は素晴らしいと思います。

    2. “里山”さん、

       あなたは別の名前も使って私のサイトにコメントしていましたよね。本名でなくてもいいのですが、同一人格を維持するつもりはないのですか?それは人間の基本的なプライドだと思います。正直そうしたやり方は、私からみれば完全な「OS違い」です。あなたとは議論する意味も価値もまったくありません。棲み分けしましょう。

Comments are closed.