企業の撤退相談、遠心力と求心力の均衡状態とは?

 1月12日(土)、土曜にもかかわらず、顧客企業の相談日。当社上海事務所の引越し(縮小移転)がまだ完全に終了していないため、一時的に滞在中の虹橋錦江ホテルの会議室を借りて対応する。

 華やかな会議室ではあるが、相談内容はこれに釣り合わない、暗い「撤退」であった。撤退それ自体は特に暗い話ではないが、リストラやら従業員への告知タイミングやら人事労務あたりの話になると、どうしても明るい気分にはなれない。

 先日のベトナム人マネージャー研修でも話をしたのだが、企業に自らの運命を託さず、自立するマインドとスキルを持つことが昨今の時代に大切なことだ。これこそが人材の条件でありながら、そうした人材をいかに引き付け、社内に定着させるかがまた、企業にとっての課題になる。

 言って見れば、遠心力をもつ人材と求心力をもつ企業。この2つの力が相互作用して均衡状態を目指すことである。一方では、企業に依存し、企業にぶら下がる従業員に作用しているのは、遠心力でも求心力でもなく、単なる粘着力だ。

 自己責任を批判するほど無責任さはない。自分の運命はやはり自分でにぎりたい。企業の撤退だけではない。AI時代もまた然り。

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