とことん感染者を追うマレーシアと目を覆う日本

 マレーシアでは、複数の交通事故死や他疾患死や自殺者の死体から、コロナ感染が検出されている。同国は今後、複数死因の死者でも、コロナ感染さえ検出されれば、コロナ死とカウントするとし、実態を追う姿勢を明らかにした。

 完全ロックダウンや徹底したPCR検査をしているマレーシアでも、これだけの死後感染が見つかったということは、無症状感染者がいかに多いかというを証明している。

 日本の市中、どれだけの無症状者が活動しているのだろうか。

 「死者数の少なさ」で自慢する日本人もいるが、では、死者数を見てみよう。ベトナムがゼロという極端な事例を除外して、マレーシアの場合は、コロナ死亡者113人、人口比で日本の725人(いずれも2020年5月17日現時点の数字)と比べて、死亡率は日本の6割ほどと低い。しかし、マレーシアは「死者数の少なさ」で自慢しているわけではない。とにかく、感染者の捕捉に全力を挙げている。

 検査しないという日本はやはりいびつだ。無闇に検査をすると、世間に極度の不安が広がり、パニックに陥るというが、では、徹底した検査を行う他国ではなぜそうならないのか。それは日本人が他国人と比べて未熟というのだろうか。

 要するに、日本は目を覆い、感染の実態をいつまでも謎のままにしておき、災厄を乗り切ろうとしているわけだ。さて、果たしてそれが可能なのだろうか。

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コメント: とことん感染者を追うマレーシアと目を覆う日本

  1. 立花先生、米国のコロナ対策について全く触れないのはなぜなんですか?みんなすごく違和感を感じています。是非、マレーシア、日本、米国など複数の視点からの比較をお願い致します。

    1.  まず、1つ確認させてください。「みんなすごく違和感を感じている」の「みんな」は複数の方ですよね。どのような方々でしょうか。「すごく」とは具体的にどのようなものでしょうか。是非伺いたい。できれば、皆様から直接にこのようにコメントを書き込んでいただきたい。

       いいポイントです。複数の視点からの比較。実はいま本を書いております。マレーシア、ベトナム、米国の事例を挙げる予定です。かなりの文字数になるので、無料サイトではなかなか収納できません。おそらく来年前半に刊行されます。本サイトでもアナウンスいたしますので、是非、「みんな」多くの方々、お買い上げください。

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