自殺もできぬ苦痛に耐え、わが子を殺す中国熊の残虐物語

 私は涙ぐんである物語を読んだ。「天涯社区」原文を抜粋和訳して紹介する。=====以下抜粋訳(一部写真は気分を悪くすることもあります。ご容赦ください)。

 野山にわなを仕掛けて、熊を捕獲する。熊がわなに落ちれば、手足がバラバラと分解する。捕獲された熊は25年間もわたって残害され、あまりの苦痛に耐えられず、最終的に切腹して自分の手で内臓を抉り出し、死ぬ。

 しかし、人間の知恵に勝てるものはない。熊自殺防止のために、「鉄服」と呼ばれる、強化された鉄製コルセットが開発された。鉄製コルセットを熊の胴体に装着すれば、熊はまったく身動きが取れず、自殺することも出来なくなる。

 熊の腹部に、穴を開けられ、金属チューブを差し込まれ、そのチューブは肝臓に到達するまで、深く、深く、挿入される。一日数回、胆汁を搾汁される。鮮血が至るところに流れ、激痛に耐えながら、熊は雷のような吼え声で悲鳴を上げる。しかし、鉄コルセットで固定された熊は一つ身動きできない。

 麻酔は使わない。コスト削減のためだ。ある親熊は、残虐な生涯地獄から小熊を守ろうと、自分の手でわが子を殺してしまう。

51876_2(「アジア動物基金」写真)

 友人に託されて、数日の間、熊牧場の世話をすることになった。場所は某市西北部の山麓に位置する秘密な館である。

 深夜、山に恐怖の悲鳴が鳴り響く。号泣の如く、苦痛と絶望に満ちている。突然、ドアに異様な音がした。呼吸の音まで聞こえる。「誰だ」、電気をつけてみると、誰もいない。恐怖の静寂。私はモップを手にし、忍び足でドアに近づく。ドアの下に何と小熊が潜んでいた。ふさふさの毛、恐れ恐れの目線、甘えるような泣き声。

 「さあ、おいで、熊ちゃん」。私が手を差し伸べると、小熊がよちよちと歩いてくる。小さな手を私のヒザに載せ、温かい舌でぺろぺろと私の手を舐める。突然、ドアが叩かれた。小熊が慌ててベッドの下に潜り込む。

 ドアを開けると、熊牧場の職員が現れる。「すみません。お邪魔します。いま、小熊が逃げ出しましたが、ここに来ませんでしたか」。「小熊なら、来てますよ」・・・。たちまち、小熊がベッドの下から引っ張り出され、四本の足がしっかりと縛り付けられた。部屋から引きずり出された小熊は、目線を一刻も私から離れることはない。「助けてください、お願い・・・」

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51876b_3鉄コルセットと装着中の熊(Longhoo.net写真)

 夜が明けると、牧場の管理人、張さんが熊宿舎の見学に案内してくれた。広大な建物に、6つの檻が置かれている。檻のなかには、コルセットを装着した熊がいる。

 「胆汁の価格は、いま1グラム300元です。ほら、そこ、胆汁搾汁作業が始まりますよ」。張さんが案内役を務める。

 体格の良い作業員二人が慣れた手つきで熊を縛りつけ、コルセットの両側に太い縄を引っ張りだし、滑車を通してよいしょっと綱引きのように力を入れる。ぎゅっぎゅっ、見る見るコルセットが締め付けられていく。

 「ガォー」。泣き声よりも、悲鳴、声が歪んだ悲鳴。仰向きの熊は目を丸くし、四本の足は限られた狭い空間の中で地面にしがみ付こうと懸命に動く。

 ポタ、ポタ、腹部に差し込まれた金属チューブから緑色の液体が垂れてくる。

 縄が緩められる。そして、もう一回締め付ける。悲鳴。熊の目から涙が流れている。彼は人間と同じように歯を食いしばって苦痛に耐えているのだ。

 「あなたたち、それでも人間か!」。私は張さんに怒鳴りつける。
 「私たちも仕方なくやってます。これが仕事なんですから」
 「・・・・・・どのくらいの頻度で搾汁するのか」
 「状況次第、胆汁が多いときは1日2回、少ないときは2日に1回、通常一匹の熊から取れる胆汁粉は年間2000グラム、十年くらい取れます」

 10年?私は震えだす。10年、悪魔の10年、激痛、残虐な刑罰、1日2回、今日も明日も、1日また1日、1年また1年、そして10年、7200回もの苦痛に耐える熊たち・・・

51876_4胆汁搾汁作業(Longhoo.net写真)

 しばらくすると、小熊の「手術」が始まった。

 今度は大男作業員四人がかりで鉄鎖で小熊を縛り付ける。恐怖に怯える小熊が、じーっと私を見つめる。「助けてください、お願いだから・・・」

 「手術」が始まった。小熊の絶望な号泣が響き渡る。「かあさん、助けて」。間違いなく、私にはそう聞こえた。

 そのとき、異様な光景が現れた。一匹の親熊が何と力尽くで鉄の扉を広げ、檻から脱出した。親熊が小熊の前に駆けつけ、鎖を一生懸命開けようとした。が、どうやっても開けることができなかった。親熊は小熊の涙を舐め取りながら、小熊を抱擁した。

 突然、親熊が巨大な手で小熊の首をつかみ、全力振り絞って、締める、締める、締める。小熊の体がふにゃりと倒れこんだ。

 ごめんなさい。かあさんはあんたを助けることができない。ごめんなさい、ごめんさない。でも、あんたはもう苦しむことないよ。ごめんなさい・・・

 親熊が狂ったように、自分の毛髪に噛み付き、コルセットを力尽くで外し捨てると、搾汁の金属チューブが半分の胆嚢に突き刺さったまま、抜かれた。一瞬にして腹部は、吹き出る血で真っ赤に染まった。

 「ガォー」。親熊は壁に向かって突進し、「バーン」、壁と熊が一緒に崩れ落ちた。

 真っ赤な血が・・・

 中国熊(主にツキノワグマ)の悲劇に、油を注いだのは、帰真堂(福建省)の上場問題である。生きた熊の胆汁を原料に漢方薬を生産している同社が、深せん証券取引所のベンチャー企業向け市場「創業板」への上場を巡って、動物愛護団体を巻き込んだ騒動が波紋を広げた。

 「われわれの商品は、国家からライセンスを付与されている以上、我々に反対することは国家に反対することに等しい」という同社創業者の暴言は、動物愛護団体や多くの中国国民の怒りを買った。

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 合法のことがすべて正しいことか。上場とは、広範な社会的責任、企業倫理が問われる立場になることであり、創業者や経営者には、もっと身の引き締まる思いで臨んでほしい。

 動物の「殺処分」は、人類に与えられた特殊な権利とでもいうべきだろうか。人類の生命維持という大義名分のもとで行われるものである(といっても、鯨捕獲など問題がないわけではない)。しかし、熊の体内から持続的に胆汁を摘出するために、数十年単位で動物を苦痛の状態に拘束し、耐え難い虐待的な扱いをし続ける権利は果たして人類にあるものだろうか。しかも、熊胆汁の代用成分がすでに開発された現在でも、「天然熊胆汁」と銘打ったものが、異常な高価で市場取引されている。国として、科学的な論証結果を一日も早く国民に開示すべきだろう。

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 お金になるのであれば、何でもやる。経済成長という美名のもとで、金銭への欲望を丸出しにした経営者。まして、法律に触れていなければ、異論者に暴言を浴びさせる・・・。たとえば、現代の先進的技術のもとで、いかに無痛搾汁ができるのか、胆汁の不可代替性(社会的・公衆利益)の明示など、せいぜい、このくらいの説明責任は一上場企業のトップにあって当然ではないか。

 動物も愛せない人は、人間を愛せるか。

 法律面について、中国に動物権利保護・動物福祉の専門立法を呼びかけたい。動物には人間から搾取されたり残虐な扱いを受けることなく、それぞれの動物の本性に従って生きる権利がある、つまり動物の権利(アニマル・ライツ)があると考える。法律専門家の間でも、この動物の権利に対する理解に若干の温度差があるものの、基本的なところ、長期にわたって動物に苦痛を与え、虐待的な扱いをすべきではないことだけは、もはや法律専門家を超え、大多数市民の普遍な価値観になっているはずだ。

 金銭至上主義の是正、豊かな人間性の育成、いずれも中国にとって喫緊の課題である。国としては、経済成長以外の分野にも目を向ける時期がもうそこまで来ている。

 「国家が偉大かどうか、道徳的な進化の度合いは、その国が動物をどのように扱っているかを見て判断できる」、「私の心の内では、子羊の命の尊さは人間の命の尊さにいささかも劣るものではない」

 ガンディーはこう言い残した。

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コメント: 自殺もできぬ苦痛に耐え、わが子を殺す中国熊の残虐物語

  1. ほんっとに最低な行為。
    なぜこんなことができるのか理解し難いです。
    でもそれはクマだけじゃなくて牛も豚も同じ。人間は当たり前に食べているものは残酷に殺されている牛やら豚やら鳥やら。。

    色々考えたい問題ですよね。

    私達は、いつからか食するもの、行動するものを間違えてしまったのではないでしょうか。

    熊の胆、、
    本当に、悲しい事実です。。。

  2. すべての苦しみ
    痛み、辛さから開放されて
    天国で子どもと走って下さい
    中国はまともな国ではない

  3. これにかかわつた中国の人非人な奴ら、同じ経験しなさい
    大体、中国てところはおかしい
    熊を食べ物としか考えられない馬鹿者。中国料理に熊の手のひらを使ったり。
    今、私はこの記事を読んだ事を深く深く反省してます
    一体、何日立てばこの事実が
    私の頭から少しでも薄くなつていくのだろうか?
    本当に読まなければ良かった
    辛かっただろう
    痛かっただろう
    本当に天国に逝ってすべての苦しみから解放されて下さい

  4. この記事が全世界に広まって
    直ちに止める事態になってほしい
    心からそう思います。

  5. 熊の苦しみから作った漢方を飲んでも、いい事にならないと思います。
    こんなにかわいそうな事は辞めて下さい
    そんな人間も同じ苦しみを知ったらいい

  6. この文章を読んで熊胆の漢方薬を買う人はもはや人間ではない。
    二日酔いぐらいで飲むな。

  7. 婆ちゃんの家に常備薬として熊の胆(くまのい)があったな
    昭和の時代は食あたりとかあるとすぐそれ飲まされた記憶があるし良く効いたもんだ
    魚のオイル(EPA/DHA)は良くて熊胆採取は駄目って理屈は良くわからないな
    何でもありがたく利用すればいいじゃないの

  8. やはり新しい価値観を広めなくてはならない。天然の胆汁は熊の怨念があり、それこそ触れただけで呪いがかかる。
    熊の受けた苦しみを味わうと。

  9. 私はこれを仕事だからしょうがないと
    言ってる人間を同じ目に合わせたいですね。
    何も仕事がなくなってもこの仕事だけはやりたくない。

  10. この記事は10年以上も前ですがまだ、今でも胆汁搾汁は続いています。富山県のキョクトウはサイトに最低なLINEスタンプを使い、二日酔い、胃腸薬の効用としサクラまで使い宣伝しています。代替薬は出ています。熊の胆汁は必要ない。安易に購入する側も、真実を知って下さい。考えて下さい。

  11. こんな残虐な行為、今すぐやめるべきです。
    熊胆なんて必要ありません。
    お金儲けのために熊を何十年も苦しめるなんて許されません。

  12. せめて天国で安らかにくらせますように、それしかかけられる言葉がないです。
    しかし中国の技術なら、何か他の漢方薬で十分代替出来るのでは?

  13. あまりにも残虐…犬猫を生きたまま苦痛を茹で、焼き、切り刻み食べる。ユーリンもだが、自殺もできず耐え難い苦痛を10年以上。
    生き物に対して何の感情も無い下等動物。

  14. 悲しくてしょうがない
    氷山の一角なのかもしれない
    フォアグラもひどいと思う。
    必要以上に苦しめるものは、どうかやめてほしい。買わないでほしい。切実に願う。

  15. 信じられない世界です
    この世の出来事とは思えない
    なんとか終わりを迎えて欲しいですね

  16. この記事を読み、怒りと哀しみがこみ上げて来ました。
    中国だから?中国人だから?
    ジェノサイドをする人達だから?許せないです❎絶対にしてはいけない事です

  17. 人間が嫌いになる。
    熊のお母さんの心の痛みが伝わって来る。

  18. こんなものが身体にいいなんてことは、ない。考えればわかること。フォアグラも同じです。

  19. 余りに残酷で悲惨で可哀想で人間でいる事が嫌になる。同じ人間がする事か。。

  20. 私も合法や大衆が正しいとは思わない。
    この熊の親子の、幸せに暮らす権利を奪ったのは罪深い。

    1. 吐き気がする
      自分がやられたら
      自分の家族がやられたらどうか
      よく考えてほしい

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