生きる力

 生きる力。ゴン太は頑張ってくれた。

 12月8日(土)、術後2日目のゴン太は病院の構内で軽く散歩もし、食欲旺盛だ。手術の傷口は少々の腫れがあっても概ね良好な回復状態だ。懸念していた血尿や感染もほぼ見られていない。

91435_2看護師から薬と食事をもらうゴン太

 1日2回の点滴だけは10時間ほどかかって、苦になっているようだ。土曜日の仕事を中止にした私は昼食を済ませると、病室に入って、夜9時過ぎまで読書しながら付き添う。ゴン太は姿勢を変えると、位置がずれて点滴が止まったりするので、頻繁に調節しないといけない。

 「調子はどう?退院したら、美味しいもの食べようね」。時折、話をかけてあげると、ゴン太はすっかり落ち着いて妻のひざの上でうとうとして、軽い鼾までかいたりする。

 夜9時、夜勤の主治医が出勤。早速、状況を確認すると、「もう点滴はこれで最後にしよう。自宅静養できるのだったら、明日退院してもいい」と、傷口の消毒だけ、自分でやるのが不安なら通院すればいい。

 よかった。ひとまず安心。いよいよ今日の午後は退院だ。傷口もあって、当分弟のハチと遊べないので、自宅内別室の隔離生活が始まる。