経営幹部・マネージャー・中堅社員研修

 終身雇用の終焉、新型コロナウイルスの襲来。まさに百年に一度の大変革に直面する日本企業は、どのように変わるのでしょうか。またどのように変わるべきでしょうか。日本における「働き方改革」は、機能次元の議論にとどまっています。本質的な上位課題である「構造改革」は、スキップされたままです。固有概念、従来の生き方に思い切ってメスを入れなければ、やり遂げることができません。

 コロナ・ショックは社会学、政治学、法学など複数の分野にわたる現状を根底から覆し、横断的なニューノーマル(新常態)を生み出しています。中国に一極集中していたサプライチェーンの大移動によって米中両陣営の棲み分けが生まれ、産業のオンショア化が進み、日本は「再工業化」に向かうでしょう。さらに第3次産業の中でも余剰人員が生まれ、他産業フィールドがこれらの人材を吸収する基盤となります。AI、IoTおよびビッグデータによって第1、2、3次産業の高度化が促進され、産業間の波及効果が生まれれば、日本の産業社会には再興するチャンスが訪れます。

 産業構図の大変革、産業そのものの再定義・再構成が進み、日本は流動性に満ちた高度なモビリティ型の狩猟採集社会へと変貌します。歴史的な大変革を背景に日本企業、そして企業人は抜本的な自己変革に取り組む必要があります。企業は新時代に応えるべく、制度改革を行うのが当然ですが、ただ単に制度が変わっても、ヒトの意識が変わらない限り、行動も変わりませんし、新制度はうまく機能しません。制度改革よりも、まず意識改革を成功させなければなりません。

 では、意識改革を成功させるには、何が必要なのでしょうか。新時代対応のための日本企業経営幹部・マネージャー・中堅社員研修は、各企業の状況に応じて具体的に提案させていただきます。


【事例】『終身雇用制度崩壊のシナリオとソフトランディングの方向性』講演・勉強会
(トヨタ・グループ実施例)

 本講演・勉強会は、3部制から構成されます。

 1. 終身雇用制度とは何か?なぜできたのか?どうして崩壊するのか?
 2. 終身雇用制度はどのように崩壊するのか?
 3. 崩壊する終身雇用制度に代わるもの(非終身雇用制度)とは何か?われわれはどう行動すればいいのか?
 4.後続勉強会

 まず、終身雇用制度の概観や一連の特徴を切り口として、戦後という特定の時代に適合したところで発揮された優位性・有益性と、潜在的に温存された副作用・有害性という両面から、その本質をえぐり出します。さらに時代や社会・市場の変遷とともに顕在化する負の影響を分析し、その危害を受ける企業と社員の実態をさらけ出します。そこから必然的帰結として、制度崩壊と非終身雇用時代へ移行する方向性を示します。

 次に、挙国体制として取り組まれてきた「働き方改革」がなぜ一向に進まないかという事象について、社会的阻害要因(外部)と組織的阻害要因(内部)の両面から分析し、そのメカニズムを解説します。社会全体的な動向と一部の企業で取り組み中の制度改革という現状を踏まえて、時代に要請されている抜本的な構造改革とのギャップが明らかである以上、最終的に回避不能となるハードランディングのシナリオを描きます。

 最後に、ソフトランディングのシナリオ描きに入ります。雇用や賃金、労務管理面における構造的な大改革が欠かせないことは事実です。一方では、それが社員の普遍的士気低下を招く単一かつ急進的な「革命」になってはならない。社員の多様化ニーズに対応する精緻な制度設計、最大の労使合意(双方利益の最大化)、段階的制度移行という「三位一体」の改革に価値を置き、ソフトランディングの方向性と枠組み的な全体像を描きます。

 講演会に続くグループ別の勉強会が始まります。


顧客企業様のニーズに応じて、研修内容やクラスを柔軟に調整し、カスタマイズさせていただきます。
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