モーレツ主義の善悪、自己防衛の世界

 最近、目覚めが早くなったのはやはり歳のせいか。

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 そして、クアラルンプールの夜明けが遅いので、何となく得した感じだ。7時前に仕事を始めると、月がまだかかっている。残業とか自殺とかで騒ぐ世の中、雇用があっての話だ。私のような人間には無縁の世界だ。

 モーレツ主義が「善」から「悪」へと変わった日本。人間はただ自分の都合で、いろんな概念の解釈や位置付けを変えているだけ。ブラック企業とか、企業に責任を持たせるのも、雇用があっての話だ。これからの社会は、「雇用」という主流が傍流になり、そして正社員がマイノリティになる。

 ブラック企業の1社や2社、いや10社や20社を潰してもいい。ただ失業者を増やすだけだ。正義が勝っても、負けは依然として負けのまま。負けはせいぜい解釈だけでも勝者になったつもりだ。それは、ニーチェ曰く「解釈で世界を変える」現象。

 多様化といって正も誤もない世界だ。自分はやはり自分で守るしかない。

コメント: モーレツ主義の善悪、自己防衛の世界

  1. もう少し捕捉させて下さい。

    “間接的互酬性”の世界の人間を”互酬人”と言うとします。

    “互酬人”は自分たちのルールだとして、不公正な結果や意図で処罰することがよくあります。

    ここで合理的にものごとを考える”経済人”が”互酬人”に混じって競争すると、たいていは”経済人”が勝利することになります。

    このたびの税制改革案や富裕層の海外資産フライトの包囲網強化もこれに似ているように思います。

    ここで”経済人”としては合法的節税にまた知恵を出して行くことになると思います。

    飛躍になりますが、過労死された若いかたが少しでも”経済人”の意識があれば、自分の命を差し出す取引をすることはなかったのではと悔やまれます。

  2. 早朝から目の覚めるような自助のお話。結構好きです。

    人は生きて行く上で、友達、学校、コミュニティ、職場といった環境を非常に意識しています。これを行動経済学では”参照グループ”と言います。

    “参照グループ”で他の人の利得に貢献するように努力すると、巡りめぐって評価され、昇給、昇進、リーダーといった形で自分に利得が得られます。これを”間接的互酬性”と言います。

    多くの人は人生の大半を”間接的互酬性”の価値観の下で生きています。
    そこで時に今回のような若いかたの悲しい過労死も起きてしまいます。

    わたしはもう還暦を越えてリタイア間近です。

    これからの人生は人に迷惑をかけずに、とりあえずは”間接的互酬性”は卒業して、利己的に生きて行こうと決めています。
    ただし見返りを期待しない他者への貢献は残して置ければなと思っています。

    歳をとるのもいいものです。

    1.  「参照グループ」「間接的互酬性」の話、ありがとうございました。そして他者に迷惑かけない「利己的生き方」も素晴らしいと思います。さらに利他利己並行型の生き方だと立派な社会貢献です。

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