『「なぜ」から始まる「働く」の未来
~働き方・生き方を変えたい人へ10の提案』
立花 聡 著
ウェッジ 2021年9月18日刊行
◎国際的なビジネスの現場から、日本にあふれる「なぜ」と日本人の生き方を考える
新型コロナの流行で、世界情勢はますます流動的になり、分断化の様相を深めています。一方で、変革を迫られながら、なぜかなかなか変われないのが日本です。
モビリティの大変革のなか、生き残りを図るトヨタ自動車などを対象に「生き方改革勉強会」を主宰する筆者は、クアラルンプール在住の経営コンサルタント。ポストコロナの世界を予測し、変われない日本にはびこる「なぜ」の正体から、「なぜ働き方改革が進まないのか」を解き明かしていきます。自分の働き方を、自分が幸せになれる方向にシフトするためには何が必要なのか、労働法制に対する深い知識と自身の体験をもとに、著者が提唱する「生き方改革」とはどのようなものでしょう?
働き方改革にはまず生き方を「改革」しよう。軸をブラさず、自分の「バリューチェーン」を磨こう。自分の価値を「拡げる」生き方をしよう。
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● 紀伊國屋書店
<定価> 1,800円+税 (320頁 ISBN:978-4-86310-241-5)
目次
序章 「生き方改革」に至る道
● 地球全体の災厄
● 昨日に帰りたい
● コロナは風邪だが、ただの風邪ではない
● 豊田章男・トヨタ自動車社長の一喝
● グローバリゼーションの流れが変わる
● 「働き方改革」はなぜ進まなかったのか?
● 努力しなければ進歩はない
● 「生き方改革」とは、何を変えることなのか
第1章 マレーシア・コロナ日記
● クアラルンプール猿軍団
● 人間には拠り所が必要だ
● 成功事例の裏に隠された「行動の源泉」を知る
● なぜマレーシア人がロックダウンを支持するのか
● ラマダンとロックダウン
● 生活水準を落とそう
● ムヒディン首相の「夜の街不要論」
● 「エッセンシャル」にあって「不要不急」にないもの
● 実録・ロックダウン日記
第2章 米中関係に本質的変化が起きた
● 国家にとって、コロナは何を意味するのか
● 分断の意義は棲み分けにある
● グローバル時代の終焉
● トランプ前大統領が目指した、中国抜きの経済秩序
● ゲームのルールを決めるのは誰だ
● 哲学すら消費しようとする中国
● 中国を変えるか、さもなくば中国に変えられるか
● 安い製品を求めて高い代償を支払う
● 1つの世界、2つのシステム
第3章 アフターコロナと中台の行方
● 台湾モデルの成功
● 国際的プレゼンスを高めた台湾
● 二股外交で実利を取る
● 「手駒」扱いの先を見据える
● 経済界の重鎮が衝突する対中ビジネスの未来
● 仲よくすることは、利益につながらない
● 妙薬か麻薬か、サプライチェーンの海外移転
● 中国の利益の核心を担う「統戦部」
● 巧妙かつ大々的なプロパガンダ
第4章 日本の「しくじり」を総括する
● 「おもてなし」の時代は終わっている
● メイド「イン」の重要性を再認識せよ
● 「安全」と「安心」は必ずしも両立しない
● 繰り返される「戦力の逐次投入」という愚行
● 独自ルートで武漢の情報を得ていた台湾
● すべてにおいて決断が遅かった日本
● 生きていることがいちばん美しい
● 「法・理・情」、日本と世界のミスマッチ
第5章 人事サイドから見た危機対応
● マレー発・カキルマ式ビジネス
● 自由自在な経営スタイルの強み
● 雇用調整にはコストがかかる
● 社員はテレワークしたい、会社は管理したい
● 努力してる「ふり」を可視化する意味
● 対価を払うべきものは「労働」ではなく「成果」
● 不安の時代はほんとうに異常なのか
● リストラからの「自助」
● 自分で問いを立て、自分で答えを選べる人間に
● 第三次産業は過渡的な「幻」産業だった
● 羊たちは夢を見ながら草を食む
● ノブレス・オブリージュを日本に根付かせる
● 社会の形成は人間の意思の結果である
● 共同体の再建のために
第6章 危機を目の前に手も足も出ない理由
● 「頑張る」の外国語訳は存在しない
● 外資系企業の給料はなぜ高くできるのか?
● 日本企業も人件費の変動費化を望んでいる
● 天引き天国、ニッポン
● 「報われる」頑張りと「報われない」頑張り
● スキナー箱のネズミ
● 「努力は必ず報われる」は世界の非常識
● 日本人にとっての終身雇用とは?
● 東アジア終身雇用事情
● 「働き方改革」はうまくいくわけがなかった
● 変革をソフトランディングさせることができるか
● 非終身雇用への移行、3つのシナリオ
● 現実的な自己防衛策が必要な時代
● 日本を支配する「妖怪」
第7章 悩めるトヨタ自動車
● 愛社精神の「愛」は、どんな愛か
● 会社人の標準化された人生
● 会社員から「社会員」へ。自由で流動的なつながり
● 「社内計画経済」はどこまでうまく機能するか
● 社内計画経済を会社間で調整する
● 労働生産性を「低く」とどめておきたい勢力
● 基準を「後進」に設定すると、社会はどうなるか
● 議論が泥沼化する日本的メカニズム
● 「敗者復活」のチャンスを与える仕組み
● トヨタ自動車流、流動化時代の働かせ方
● 状況の変化に対応できる雇用形態を模索する
● 変わりたくない人には退場してもらおう
● 人事制度の全面的見直しに立ち返る
第8章 働き方ではない、自分を変えるのだ
● あたらしい「トヨタ神話」が始まる可能性
● 「思考することへの恐怖感」から離脱しよう
● 正しく「批判的思考をもつ」こと
● いつでも会社を辞められる力
● 副業は社会へのゲートウェイ
● うまくいく人は、盗むべきものを間違えない
● 副業のコツは「拡業」にあり
● 可能性を広げる考え方を知ろう
● 本を読むことと考えることの関係
● 凡才の発想を超えるためには「知性」が必要だ
● ルサンチマンと学問と自己責任
● 価値は与えられるものではなく、決めるものだ
● 誰が権力者になっても世界は変わらない
終章 わたしの「生き方改革」20年
● 「自由からの逃走」からの逃走
● 受動的自由は本当の自由ではない
● 長く苦しい道のりを超えた先の自由
● 見える不安と見えない危険
● 正しいと信じたことを言う自由
あとがき