【世界経済評論IMPACT】中国軍の台湾上陸1週間で完了か、台湾有事でも日本を無事に

 日本政府が中国軍の昨年の演習を分析した結果、最短で1週間以内に、地上部隊を台湾に上陸させる能力を有していることがわかった。政府は従来、1か月程度を要すると見積もっていた(7月18日付読売新聞オンライン)。

 1週間ということは、台湾在留邦人の撤退も間に合わないくらいだ。軍事専門家によっては、さらに短く3日で上陸できるという意見もある。中華人民共和国台湾省の時代はもう遠くない。負ける結果が決まっているなら、早いうちに有利な負け方にしたほうがいい。ウクライナを見ればいい。今負けるよりは2年半前に負けたほうがはるかに有利だった。

 トランプは、「台湾が米国から半導体産業を奪った。だから、保護費を払え」とし、これは将来的に「保護費が十分に払えないのだから、台湾から手を引く」といえるための文脈づくり。前例がある。米国は蒋介石への支援を打ち切る際に「蒋介石国民政府の腐敗」を理由とした。アフガニスタンからの撤退も同じ口実だった。

 日本政府が、「中国軍が1週間で台湾上陸」という分析結果を公然と発表したのも、いささか「台湾は助からないから、助けるのが無駄で、助けない」という文脈づくりではないかと推測する。

 結論は、「台湾有事でも日本無事、米国無事」。何回も繰り返している。自由と民主主義の価値観共有などは真っ赤な嘘。全てが、利益だ。そして、アメリカにとって、第一列島線を護るためのコストが既に利益をはるかに上回っているから、放棄するという揺るぎない意思がある。日本も、外交面における大転換に直面する。日米安保の終焉は時間の問題。

 台湾戦争には日本は絶対に介入してはならない。日本の食料自給率は38%。実質20%を切っているという専門家もいる。日本人は、戦死する前に餓死する。基本的に日本政府は、「台湾問題は中国の内政問題、日本は一切介入しない」と宣言するのが賢明だ。トランプは、在日米軍を動員することはしないだろうから、日本もそのスタンスの日本版を打ち出せば良い。

 それでは、日本が台湾という友人を裏切ることにならないかと言われるかもしれないが、日本はまず日本国民を裏切らないことが第一義的な責務だ。航空機の非常時対応は、子供よりもまず自分が先に酸素マスクを装着することだ。聞き慣れたアナウンスだと思うが。

 日本は台湾にこの事実を一刻も早く教えてあげることこそが、真の友情ではないか。

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