日本人相手の海外投資業者、理性的関係と進化

 海外で、日本人相手のいわゆる金融投資や不動産投資仲介業者はたくさんある。その会社の創業者や経営者にまつわる武勇伝よりも、その顧客がいかに投資で儲かったか、あるいは失敗したかという実話や事例に興味がある。残念ながら、それはあまり聞かない。

 いまの日本は大変だ。年金が減額される。将来的になくなるかもしれない。だから、自助努力で自己年金を作らないと危ない。ここまでは誰もが納得する正論。ただここからが微妙になってくる。どこそこの国の何とか案件が有望だとか。それはまだしも正論としよう。では、リスクとは何か?投資失敗した場合の最悪シナリオとは何か?

 という話になると、突然黙り込む。「おい、営業妨害だ」と、時には怒り出す。私はライバルではないし、営業妨害しても得はしない。そういっているのは、もうちょっと理性的な営業をしたほうが逆にライバルとの差別化ができるのではないかということだ。

 顧客も同じく理性的になってほしい。まずは、うまい話ばっかり聞こうとしないこと。次にリスクと聞いただけで引いてしまうのも馬鹿馬鹿しい。リスクとリターンの関係をよく吟味し、評価し、その金融商品が自分に適合するかどうかを、主体的に判断する。

 業者と顧客の間に理性的な関係ができあがると、互いに進歩し、進化する。