SNSはなぜ大儲けしているのか。
学校で教えられたこと、
本で読んだこと、
メディアで聞いたこと、
どこかで見かけたこと、
世間一般の常識、
固定観念、
あるいは本人だけが信じている希望的観測。
SNSの政治や社会に関する投稿やコメントの九割以上は、残念ながらこの寄せ集めでできている。自分の思考の産物ではない。既製品の言葉を並べただけの陳列棚である。
彼らは議論をしているつもりだが、実際には「自分の存在をここに置く」という行為をしているだけだ。書き込み、いいねを待ち、同調コメントに頷き、承認をもらう。それが一日の小さな達成感になる。翌日もまた同じことを繰り返す。
SNSという商売は、この人間の心理を見抜いて設計されている。人間が議論したいからではない。承認されたいから書く。反論されると怒る。味方が現れると安心する。
政治的傾向、いわゆる左や右も同じだ。真のリベラルとは何か、真の保守とは何かなど、考えたこともないまま、彼らはそれらしい旗を持つ。旗そのものが思想だと勘違いしている。思想はない。ただ旗だけがある。
その旗の下に集まり、同じ言葉を繰り返し、互いに「その通りだ」と頷き合う。その様子は思想集団というより、むしろ制服を着た応援団に近い。
だから論破される。驚くほど簡単に崩れる。論理が存在しないからだ。中身がない。あるのは、どこかで拾ってきた記号だけである。それでも彼らは消えない。論破されても、翌日また現れる。なぜか。彼らは議論しているのではないからだ。旗を振っているだけなのである。
これは政治学の問題ではない。思想の問題でもない。単なる心理の問題である。そしてSNSは、その心理を利用して巨大なビジネスを成立させた。人間は自分の欲望で自分を働かせる。無料で、休みなく、喜んで。
実に見事な仕組みだ。人類は議論の場を作ったつもりだった。しかし出来上がったものは、巨大な承認欲求の遊園地だった。




