恩返し、初心忘れべからず

 明日午前の虹橋発で羽田へ向かう。

 出張の準備に追われている。今日午後も、事務局が私の日程をダブルブッキングしてしまい、大騒ぎになった。分刻みの日程となると、スケジュールの完全共有化が避けられない。

 現在新規案件受注を中止しているが、取引先からの紹介案件は、礼儀上断ることができないので、とりあえず「話を聞きましょう」となってしまう。

 もう少し、業務の標準化はできないかと。案件進行のプロセスはある程度標準化できても、やはり会社はそれぞれ十人十色で一件一件丁寧に扱わなければならない。

 「お忙しいですね」とお客様からよく言われるが、忙しいから顧客の案件を粗末にしていないかと、毎日毎日神経質くらいに考えている。「まあ、こんな感じでいいか」ということは一瞬たりとも頭の中にあってはならない。

 先日、ある小型案件だが、一旦受注後、取り扱い不能と判明し、契約を辞退すると、顧客からクレームをいただいた。香港におられる顧客で、事情説明に香港にくるよう求められた。私は、恐縮だが土日にお時間いただけたら、香港へ伺いますと回答した。スタッフに、「数千元の案件で、立花さんがわざわざ2日の時間と出張費をかけて、香港に行くんですか」と言われた。

 私たちは、金額や利益ばっかり見てはならない。この会社を立ち上げた当時、数百元、数千元の小案件をいただきながら、かろうじて食いつなぐことができた。一つ一つ小さな積み重ねで、信頼という一番大きな財産を手に入れた。初心を忘れてはいけない。お客様に恩返しをしなければならない。私は、喜んでお詫びに香港へ飛びます。

 今日も明日も自己否定と反省を続け、お客様のために一生懸命がんばる。