ただちに・・・

 「ただちに」

 最近、ニュースを見ると、この言葉はやたら耳に付く。福島原発事故の発表で、枝野幸男官房長官の口から何度も何度も飛び出すことばだ。

 「(問題の野菜や水を摂取しても)、直ちに健康被害は出ない・・・」

 枝野氏は弁護士であることを思い出すと、なるほどと納得。言葉使いは、いい意味で慎重に慎重を重ねるほど噛みしめている。

 「直ち」とは、「間に何も置かないで接している」「時間をおかない」ことを意味する。枝野氏の説明を吟味すると、つまり「即死」や「即傷害」はない、あるいは「即時に被害が表面化することはない」とも解釈することができよう。

 「無責任」と指摘することも難しい。彼はうそをついているわけではない。事実(予測)の一部の陳述にとどまっているだけ。

 弁護士はやはり気をつけないとね・・・