小手先の抜け道よりも、堂々と・・・

 「上海市従業員代表大会条例セミナー」。本日は、中国語セッション。

 中国語セッションは、人事実務担当者が中心で、日本人管理職向けのセッションよりも、実務に即してより突っ込んだ話をすることにしている。

53748_2上海セミナー(2011年3月25日、花園飯店にて)

 従業員代表大会やら労働組合やら、全体的に反感を覚える日系企業が多いようだ。日本人上司の意思を受けて、中国人担当者も制度全般をネガティブに捉えている傾向がある。

 私は、決して労働運動賛同派ではない。円滑な企業経営に専念するうえで、なるべく「余計な」ことを省きたい、と考えている。が、このような「余計な」ことは、いったん政策化され、さらに法制化された時点で、もはや回避しようがない。そこで、小手先の抜け道を一生懸命考えても、あまり意味がない。なぜなら、結果的に強大な公権力に担保された流れに逆行することは不可能であろうからだ。公権力は、津波のような強大で、不可抗なものだ。

 小手先の抜け道よりも、法律に則って、堂々と、無固定期間労働契約だろうと、従業員代表大会だろうと、労働組合だろうと、すべて受け入れてやる。それでも、経営者は決してコントロール権を失うことがない。いや、そもそも企業のコントロール権にしがみつく経営者はプロとはいえない。「他律」よりも、「自律」で企業を動かす、いや、企業に動いてもらうのが、経営の王道なのである。

 法律法規が出るたびに、慌てて対応するよりも、どんな法律が出ても、揺るがない企業と経営こそ、真の企業であり、真の経営である。

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