私が日常的に使っている「偽右」という区分表現の定義と特徴を以下に列挙する。
「偽右」とは、表面的に保守を名乗りながら、実態は政治的知性・戦略性・国家観を欠き、怒りと同調によって「保守らしさ」を符号的に演じるだけの層。保守思想ではなく、右派的スローガンを消費する大衆現象である。つまり、反中・反韓・反リベラル・親米的な語彙を掲げることで自分を「政治的に正しい側」に置きたがるが、国家利益の理解も責任も伴わない群衆心理の産物である。
■ 【軽度層:入口段階(最も多発・顕著)】
(1) 二分法思考
政治の複雑性(グラデーション域)を理解・処理できず、単純化に逃げる。偽右の大多数がここに属する。
(2) 怒りを政治的立場と誤認する
怒る=正義と信じる。最も分かりやすい入口症状。
(3) SNS依存型の即時承認回路
「いいね」を政治的評価と錯覚し、群衆心理の一部として行動する。
(4) 国際政治を勧善懲悪の物語で理解する
現実の地政学より、単純な「悪の敵」の物語を好む。
■ 【中度層:性格化・固定化段階】
(5) 政治的コストの概念を持たない
発言の外交・経済的影響を理解せず、責任を負う発想がない。
(6) 本来の保守思想(制度・節度・持続性)を理解しない
感情優先のため、保守を名乗りつつ保守思想を破壊する。
(7) 保守を自己演出の道具(符号)にする(思想の空洞化)
自分を正しい側に置くための衣装として保守を利用する。
(8) 外交・安全保障のリアリズムを理解しない
レッドライン・抑止構造を解せず、短絡的強硬論を「毅然」と誤認する。
■ 【重度層:病理化・自爆装置化段階(最も危険)】
(9) 常に敵を必要とし、敵に依存する
敵がアイデンティティの源泉となり、敵を失うことを恐れる。
(10) 「敵のラベル」を反射的に貼り続ける言語習慣(反射的スケープゴート化)
特定の言葉(「左翼」「メディア」など)を思考の代わりに唱える護符 として使う。
(11) 敵との戦いそのものを快楽刺激として消費する
「戦っている自分」に酔うナルシシズムが行動動機の中心に。
(12) 敵と戦う自己像への陶酔(ヒロイズム依存)
国家利益よりも、自分の英雄物語を優先する倒錯が生まれる。
(13) 自己愛(ナルシシズム)と被害者意識の併存
自分は正義の民であり、同時に迫害されている被害者であるという強固な自己物語。最終的に「敵を作る → 叩く → 反発される → 迫害感 → 再び敵を作る」という無限循環に陥る。
(14) 頭は反中、財布は親中(認知的不調和)
思想では強烈に反中を叫びながら、生活や消費行動では中国製品・中国サプライチェーンに依存する矛盾。理念と行動の不一致(認知的不調和)を、さらに過激な反中言説で埋め合わせようとする典型症状。
■ 総合評価(階層構造として)
軽度:単純化・怒り・SNS承認欲。
中度:思想の空洞化・戦略性ゼロ・制度理解の欠如。
重度:敵依存・ヒロイズム・ナルシシズムという「自爆的心理構造」。
偽右が政治的に危険度を上げるのは、軽度 → 中度 → 重度へ連続的に進むにつれ、他者だけではなく国家全体に損害を与えるからである。





