マレーシアの美食をSNSで紹介すると、いや、日本のこれがもっと美味しく、世界一というコメントがやってくる。申し訳ないが、私は世界どころか、マレーシアも食べ尽くすまで程遠い。「世界一」とはどこから来た結論か定かではない。
ご愛嬌程度の「お国自慢」ならまだしも、度が過ぎると、日本人は世界に笑われる。日本文化の1つは、謙遜。だが、世界一やらクールジャパンやらなぜそこまで自慢できるのか。その辺、中国人にそっくり。私の美学からすれば、醜い。
諸外国もお国自慢する。よく使う言葉は「ユニーク」、独自性を強調する。「唯一無二」であっても決して「唯我独尊」ではない。世界をろくに知らない人は世界に向けてアホな発信をし、世界から不信を買う。そういう愚挙はやめたほうがいい。
スポット的事象を引っ張ってきて日本人や日本文化の優越性を吹聴して自惚れに陶酔する。もう、一刀両断。この手のいわゆる愛国者は実は、害国者なのだ。価値判断は事実認識を変えることができない。日本は中国にも韓国にも負けている。何よりも日本人自身に負けている。
アヘン、アヘンでしかない。負けを認め、臥薪嘗胆、自省と覚醒こそが再起の道である。
「国潮」、中国は国産品ブーム。中国人消費者の「Made in Japan」離れ現象がどんどん進んでいる。そこで「日本の技術を盗んだ」という論が出てくるだろう。それはあると思う。しかし、もう1つの事実がある。それは盗める対象がどんどん減っていることだ。
盗むと言っても、なぜ、盗まれたのかという問題もあるし、正当なリバースエンジニアリングもある。価値判断で結果という事実認識から逃げることはできない。日本人には、失敗から学び、再起する姿勢が求められている。中国から学び、韓国からも学ぶ。例え敵であっても敵から学ぶことが敵に勝つための第一歩ではないか。
日本には、ルックウェストが必要。