感謝あっても愛着湧かない街~上海

 12月25日(土)。新居で2日目を迎え、住人のために団地が催してくれたクリスマスパーティーに参加した。ママさんコーラスから家族ピアノ演奏、沖縄エイサー、セクシーベリーダンスまで盛り沢山のプログラム・・・

48690_2団地のXmasパーティーで踊る沖縄エイサー

 いやいや、日本人の多いこと。住人の8割が日本人というこの団地では、日本語が共通語にもなっている。

 いまや上海は、一説によれば10万人規模(実質在留ベース)もの日本人が住んでいるという。だとすれば、米国のロサンゼルスとニューヨークを抜いて、上海は世界一在住日本人の多い街になる。これからも、日本国内の経済衰退とともに、上海に流れ込む日本人は増加の一途をたどるだろう。

 5年後の上海、そして10年後の上海の日本人コミュニティーはどのようなものになるのだろうか。

48690_3ぼくも一員だ~メリークリスマス

 「この街が好きで好きで仕方がない。お金がなくても、パリに住んでいるだけで幸せだ」。友人でパリに住む一人の日本人がこういう。

 明らかに、経済、ビジネスの吸引力は文化よりはるかに大きいようで、その意味でパリは上海に勝てない。好きで好きで上海に住む日本人はどのくらいいるのだろうか。むしろ、在住日本人の絶対数の増加に反比例して、ウェイトが降下しているのではないか。

 「住みたい街」。それはつまり、「一生食べていける資を得ており、どこでも世界の好きな街に住むことができる」という仮説があっての選択肢だが。

48690_4イギリスのコッツウォルズ(2005年夏)

 正直いって、私は上海という街に愛情を感じない。ビジネスで生計を立てている以上、この街に感謝の気持ちがあっても、愛着は湧かない。

 世界40か国を旅して、愛着を感じ、住んでみたい街のトップ10を挙げると、ネパールのポカラ、ポルトガルのファロ、スペインのアンダルシア地方、イタリアのベネチア、南仏のプロヴァンス地方、ニュージーランドのクライストチャーチ、イギリスのコッツウォルズ、スリランカのゴール、台湾中南部地方、そしてこの間行ってきたばかりの飛騨高山。