遠藤周作氏の「老いてこそ遊べ」を読んでいてふと思った――。
「成長する」と「老いる」ってどう違うの。どうも前者はポジティブ、後者はネガティブの意味が込められる。さて、「成長」と「老いる」の境目はどこにあるのだろう。私は禿げはしないが、30代半ばから白髪が出始め、美容室(本当は理髪店が好きだが、めっきり減ったので仕方なく美容室へ)に行くと、染めないかとしつこく勧められていつも腹が立つ。
「だいぶ白くなってますね、染めませんか」
「要らん」
「若々しく見えますよ」
「若くて何がいい?」
「若いほうが良いに決まってるんじゃないですか」
「いや、私の仕事は年を取った方が都合がいいから」
「はっ、・・・なるほどね、じゃ、全部白く染めますか」・・・
かなりユーモアのある中国人美容師か、それとも本気で白染めしようとしているのか、私にはわからないが・・・
「老いる」ことと「成長する」ことは矛盾していないし、二者択一でもない。人間なら誰しも、成長しながら老いてゆくものだ。そして、「学ぶ」ことも「遊ぶ」ことも、同じだ――。
遊びながら学び、成長しながら老いてゆく。