傷の舐め合い集団、岐路に立つビジネス○○会の姿

 「異業種△△会」「起業▽▽会」・・・。ここのところ増えてきた多くのいわゆるビジネス系の「○○会」は、蓋を開けてみると、ただの傷の舐め合い会に過ぎない。

 人間は生きる限り傷を負う。肉体的にも精神的にもだ。特に精神的な傷は厄介だ。自己修復能力を持たない場合、あるいは修復に多大な苦痛が伴う故に修復を拒否した場合、他者からの「現状承認」を求めたくなる。

 「あなたは何も悪くない。悪いのは上司だ、会社だ、社会だ、政治だ・・・」「そうだよね」。このような相対関係が複数に集まれば、傷の舐め合い集団となる。

 傷の舐め合い集団には、不幸をもたらす「仮想敵」が作られ、そこでさらに仮想の共同陣営が敷かれる。ただ、その仮想敵と対決しそれを克服する戦略も手立ても皆無のまま、ひたすら愚痴こぼしと頷きが永遠と続く。

 傷は舐め合いする間に、束の間の苦痛軽減の軽快感ときには高揚感を得られるものの、徹底的治癒は到底あり得ない。傷の深層にやがて膿が溜まり、菌やウイルスが徐々に組織や血液中に浸透していけば、病が重症化することも多々ある。

 傷はメスを入れ、膿を出し切り、治していくものだ。