<KL>正統派寿司、威風堂々の王道「織部」

 8月2日、妻の誕生日。前日の夕食に訪れたのは、寿司店「織部」。クアラルンプール寿司「御三家」の1つだ。

 正統派寿司の王道。お任せコースで出てくる刺身はまず文句なし。素材のセレクトも取扱いも一級のレベルだ。

 コースはかなりの量ではあるが、単品確認の目的もあって、大食い立花家のことだから、そこで欲張って追加注文をする。寿司屋であえて天ぷらを食べてみようと、いやいやこれはまた天ぷら専門店並みの味ではないか。ただ、不思議なことにつゆに大根おろしがついていない。忘れたのか、それとも店の流儀か、定かではない。

 いよいよメインの寿司に入るが、またもや追加注文――うに軍艦3貫。私が2貫と食欲全開。これも絶品である。

 さあ、ほとんど腹いっぱいの状態でメインの寿司をいただく。あえてここで詳論をやめておこう。一言でいえば、威風堂々の寿司である。貫禄満点。ただカウンターで食べられなかったのが残念。前日の予約でカウンターいっぱいだったから。

 不完全燃焼だったのは、酒。日本酒で「久保田千寿」を頼んだのだが、出てきた酒には劣化臭があった。ただ、店には責任ないと思う。出てきた酒もしっかり冷蔵管理されていたので、恐らく流通途中のどこかで問題が起きたのではないかと推測する。確認しようと、酔っ払ったところ、さらに最安値の「彩都」の1合を頼んでみた。これはまったく問題ない。やはり店の責任ではない。

 あっそうだ。どうしても文句を言うなら、店内のBGM。なんとなく、コンビニっぽい。あくまでも個人的な感覚ではあるが、もう少し店の高級感にマッチするBGMをセレクトしてほしい。

 最後の最後、なぜ卵焼きがないのか。これも不満。