マネージャーになりたくない、昇給は辞退する従業員

 マレーシアでの生活。当初は現地での付き合いがほとんどオフビジネスだったが、徐々に仕事の成分が増えてきた。

 中国と違う人事や労務の問題がある。特にマレー系従業員の「のんびり性」「上昇意欲の欠如」問題。中国の場合、多くの従業員は出世欲や金銭欲が旺盛で、その辺ターゲットが明確なだけにインセンティブも組みやすい。だが、その逆だと・・・。

 「モハメドさん、あなたはずい分がんばっているのだから、今度マネージャーに昇格します。給料も○○上げます」

 「いや社長、私のこと信頼してくれて、せっかくの機会を与えてくれて、お気持ちはありがたいのですが、私はやはりみんなと一緒でいいです」

 中国ではありえない話だ。モハメドさんは、格差を恐れている。昇格や昇給で仲間から排除されることを恐れているのである。その分、地位や金銭を放棄してでも仲間からの脱落だけは避けたかったのだった。

 さあ、どうしますか。私にはいままだ完全な答えが見えていない。宗教の問題は宗教で解決するしかないと思う。イスラム教とは何か、イスラム教のもとで生きる人たちの思想や思考回路、価値観、そしてライフスタイルはどのようなものか、これを徹底的に勉強する必要がある。

 近所のモスクから流れてくるコーランに耳を澄ませ、いつの間にかあの詩的韻律に何か彼たちの心が少しでも見えてきたような気がする。イスラムに敬意をもって、私はあの世界に入ってみたいという探究欲に駆られて・・・。

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