晴天と雷雨が共存、天津ラッフルズホテル体験記

 先週後半の天津出張は、新しく出来、6月下旬のグランドオープンを控えた天津ラッフルズ・ホテルに泊まった。ラッフルズ北京に続く、中国では2件目のラッフルズ・ホテルだ。

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 天津一のラグジュアリーホテルといっているが、ハードウェアに限っていえば、その通りだ。ソフトは・・・

 私が泊まったもっとも安い部屋でも60平米という広さで、市内随一だ。感動させられるのは、バスルーム。トイレはもちろん独立している。洗面台は2台、それに化粧専用コーナーに革張りの椅子が設置されており、狭苦しいシャワーブースではなく洗い場付きのシャワーで日本人は思わず嬉しくなる。広々とした浴槽に入浴時専用のテレビ、そして大きなガラス越しのパノラマ・シティービューは圧巻。

 荷物置場はなんとウォークインクローゼット式になっている。確かに贅沢な空間といえる。

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39475b_2天津ラッフルズ館内・日本料理店「SóU 」

 さて、肝心のサービスはどうだろう。楽天のトラベルサイトで、「全てのお客様にインルームチェックイン・チェックアウトのサービスを提供しており、お客様を客室に案内した後に、客室でチェックインの手続きができる」となっているが、ブー!1階ロビーのフロントでのチェックインとチェックアウトだった。まあ、椅子が付いているので、座ってゆっくりできるのが嬉しい。

 館内の某レストランに2回行ったが、サービスに大きなギャップがあった。1回目は、たまたまホテルの偉いマネージャーたちが一角で会議をやっていた。そのお蔭か、サービスは抜群に素晴らしかった。2回目はお偉いさんたちが不在で、客はたちまち無視されてしまう。老板へのショータイムに立ち会う客はとてもラッキーなのだ。

 開業応援に、多くの非ローカルスタッフが来ていた。このプロ軍団は素晴らしい。シンガポールのラッフルズとほぼ同一レベルのサービスを提供している。けれど、その他の一般スタッフは、通常のホテルと比べてもさほどの差を感じさせてくれない。

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39475b_3天津ラッフルズ館内・中華料理店「天青軒」

 館内某レストランのローカル・マネージャーに、小さなクレームを付けただけで、すぐに、「お客様は、誤解なさっている」と反論してくる。「誤解」とは何だ?私はただ、見たこと、体験した事実をありのままに言っただけで、何の意見も発表していないのに、どこから来た「誤解」なのか?

 サービスの改善よりも、すぐ自己防衛の殻に閉じ篭る。しかも、黒服のマネージャーもだ。これは、中国のサービス業のガン所在だ。心の持ち方、動機付け、思考回路の問題が解決されない限り、いくらトレーニングをやっても無駄だ。

39475_4出張の疲れを取り除くリラックスタイム

 このホテルにいると、所々晴れだったり、雷雨だったり、ものすごく温度差を感じてしまう。あまりにもラグジュアリーなハードウェアと釣り合わないソフトの部分に触れると、なんともいえない違和感でピリピリと鳥肌が立つ。

 「開業応援の海外スタッフが去ると、サービス品質が一気に下がるでしょう」、顧客企業の方がそういう。中国のどこでも同じだ。スタートアップはいくら良くても、持続して均質なサービスが保たれることはあまりない。

 そして、チェックアウトは、またもやクレーム。それを解決してくれるまで、40分という時間がかかった。危うく飛行機に乗り遅れるところだった。・・・溜息~!

<後続編>