スレンバン、クアラルンプールを追い抜く勢い

 今朝(2023年6月15日付)の新聞。マレーシア大手華字経済紙「南洋商報」の一面――『スレンバン、クアラルンプールを追い抜く勢い』と題した記事をみて、少々驚いた。

 驚いたのは、その内容ではなく、こんなに早く記事になったことだ。2年前の2021年1月、私は初めてスレンバンに踏み入れたときに、不思議なパワーを感じた。山々を背後に、鬱蒼とした森に囲まれるこの風光明媚な街は、首都クアラルンプールの中心部からわずか60kmの距離しかない。車で1時間のアクセスだ。

 この街は地味すぎて、過小評価されているという直感があった。もしやそう遠くない将来に化けるかもしれない。その後、クアラルンプール・シンガポール新幹線計画が再浮上し、それが実現すれば、スレンバンとクアラルンプールは15分程度で結ばれる。さらにKLIA国際空港との至近距離も加味すると、スレンバンの地理的優位性はジョホールバルに劣らない。

 簡単な検証だが、クアラルンプールとシンガポールの間に、大きな街は、北から南への順で、スレンバン、マラッカ、ムアール、バトゥパハとジョホールバルの5都市。なかに、マラッカ、ムアール、バトゥパハの3都市はいずれも南北高速幹線道路からはずれている。ジョホールバルはシンガポールに依存し過ぎて王室と中央政府の関係も良いとは言えない。

 すると、消去法的に残されるのは、首都ひざ元のスレンバンしかない。

 私のスレンバン移住はそう時間を要しなかった。マラッカ、ムアール、バトゥパハも含めて5都市にはここ数年かけて視察と検証を繰り返し、有力候補であるスレンバンの事前視察は5回にわたり行った。最終的にスレンバンに決定したのは、昨年7月だった。スレンバンの一等地に住宅を購入し、1年近くかけて移住を完了した。

 スレンバンの将来を楽しみにしながら、地場ビジネスの着手も検討しているところだ。

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