世界一の幸せものとは?

 先日、某社の中堅幹部研修クラスでこのようなQ&Aがあった。

 立花 「私は世界一幸せな人です」
 受講生 「それは、立花先生がわれわれよりもお金持ちだから、いえることですよね」
 立花 「じゃ、質問しますが、この世の中には、立花よりもお金を持っている人がいないということですか」
 受講生 「それは、違うと思います。立花先生よりお金を持っているリッチマンの方はたくさんいると思いますよ」
 立花 「じゃ、お金持ちイコール幸せではないということですよね」
 受講生 「うーん」・・・

 私がEMBAのとき、クラスメートで数十億元の資産をもつ人は一人や二人ではない。その人たちと付き合ってみると、「週末は、専用機でセブ島へゴルフに行きませんか」と言われたりする。私がグルメと自称しても、その人たちには、「立花さん、あんたが言っているようなレストランじゃ、B級ですね」と言われたりする。

 私はこう思う。幸せは心の鍛練からくるものだと思う。決してお金だけではない。

 先日、某社の研修では、私にとても率直な質問が来た――。「立花先生は、毎月、いくら貯金するのか」。私はとても率直に答えた――。「少ないときはゼロですが、多いときは10万元や20万元は貯金しますよ」

 世の中は、自分よりお金を持っている人はたくさんいる。それで不幸せになることは私でも体験したことがある。でも、いまは違う。

 世の中で誇れるものは、金ではなく、自分の幸せだと思う。私は研修クラスで受講生たちにこういう。

 「現時点では、私は皆さんより少々お金を多く持っているかもしれません。けれど、私より桁違いに金を持っている人は腐るほど世の中にいます。それでも、私は、その人たちよりも私がずっと幸せだと言い切れます。皆さんにも、立花よりもわれわれのほうがはるかに幸せだと言ってくれることを楽しみにしています。それができなければ、残念ながら、私は世界一の幸せ者と自称し続けさせてもらいますよ」

 幸せは、自分で、自分の心の鍛練でコントロールできるものだ。