私は共産党員が好きではない?

 新しくインターン実習で入社した大学生A君の履歴を見ると、「共産党員」と記載されている。しかも、クラスの党支部書記。

 選考担当の事務局は一旦難色を示したが、私は、政治的身分に関係なく、人物本位で採否を決定してくれと頼んだところ、とても誠実な人物像が評価され、採用された。

 事務局の難色には、理由があったのだ。社長である私は、共産主義がどうも好きになれない人間で、それも何回も社内で繰り返し声明したことがあったからだ。

 が、一言を言い忘れた――。私は、共産主義が好きではないが、共産主義を固く信仰にもつ共産党員が大好きなのだ。というよりも、その信仰の内容がどうであれ、しっかり信仰をもつ人に魅力を感じるのだ。

 人にはそれぞれ信じるものがある。信仰の内容の相異で喧嘩してはいけない。これこそ、この世の中の多様性である。大切なのは、「信仰をもつこと」である。信仰はとても崇高なもので、功利主義的に使ってはいけない。共産党の入党を一種の出世道と捉えている中国人も大勢いるようだが、私はその人たちを軽蔑する。

 だから、私は共産主義が好きでなくても、本当に共産主義を信仰にもつ共産党員が好きなのである。

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