上海日本人コミュニティーの萎縮、世相反映の一事象

 エクスプロア・ブログの閉鎖。他のブロガーの投稿を拝見すると、現地日本人コミュニティーの解散を象徴するものだと、それらしき主旨を示唆する内容もあって目にとまった。

 程度の表現上、少し言いすぎかもしれないが、上海の日本人コミュニティーの萎縮傾向を示すものであれば、私自身もそう感じずにいられない。

 以前上海時代に私が住んでいた某日本人密集度の高い住宅団地は先日、閉鎖した。全面リノベーションということで全住民の退去を余儀なくされた。賃貸期間中の解約は当然違約金も発生するだろうが、相当急な経営決断だったのであろう。数棟のマンションを有する団地の全面売却なのかもしれない。であれば、不動産相場の下落を目前にして正しい経営決断といえよう。

 邦字フリーペーパーの場合、発行部数よりもページ数をみれば一目瞭然。一部の媒体では最盛期のページ数の半分程度に減量されている。広告の減少、読者の減少、まさに負のスパイラルに陥っている。もともと媒体数の多かったフリーペーパーは存続に賭ける悪戦状態に転じれば、廃刊や吸収統合も避けられない。

 何よりもデータが衝撃的だ。世界最大の日本人コミュニティーである上海の在留邦人数が昨年、2013年10月時点で、約4万7700人と前年比2割弱の急減を記録した。現状に変化がなければ、私の予測では、来年2015年末あたり3万人を切ることになろう。つまり、最盛期の半分以下になることだ。もちろん、在住日本人相手の商売の多くは成り立たなくなってしまう。逆に私がいま住んでいるマレーシアの在留邦人数は同じ昨年10月の統計では、なんと倍増し、2万444人となり、前年比96.56%の大幅な増加率は世界全体で最も高かった。

 まさに世相の反映だ。そういう意味で、エクスプロア・ブログの閉鎖は、新たに一事象が増えたに過ぎない。

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